団体スポーツと同様に、受験もチームの戦い方次第で、その結果は変わってくる。では、受験に臨むうえで、具体的にどのような戦術が有効なのか。吉田先生に、団体戦で勝ち抜くためのおすすめのメソッドを伺った。

クラスメイト数人と対戦形式で1問1答の知識問題を出し合い、誰が速く答えられるかを競い合いましょう。これにより、覚えたことを思い出す「想起」の力が鍛えられます。また、このラリーを繰り返すことで、思い出すまでの時間を短縮できます。素早く思い出す訓練をしておくと、試験本番のような強い緊張下であっても記憶を思い出す精神力が高まり、緊張で頭が真っ白に…といった受験パニックを防ぐことができます。
勉強がうまくいったときには、仲間とハイタッチを!身体的な動きを伴うことで、脳に「できた!」というポジティブな印象が強く残ります。加えて、集中力の向上、ストレスの緩和、脳の疲労軽減といった効果もあります。スポーツ選手がハイタッチをするのは、無意識のうちにそうした効果を感じ取っているからです。受験生は、体を動かさず脳だけを働かせているアンバランスな状態にあり、ハイタッチの効果はより大きいと言えます。
無理はしない!ただし、
孤独感を軽減する工夫を
社交性や外交性は個人差が大きく、人と付き合うことにストレスを感じる人は無理をする必要はありません。一方、同級生との付き合いは苦手でも、歳の離れた大人なら大丈夫という人は、保護者や気の合う先生に話を聞いてもらいましょう。また、自分自身との対話にも孤立緩和の作用があるので、モヤモヤした不安や悩みなどを吐き出す「自己開示日記」をつけるのもおすすめです(箇条書きなどでOK)。ペットや観葉植物とのふれ合いにも孤独感を埋める作用があるので、活用してみましょう。

感謝する気持ちを持つと、脳が疲労やストレスから回復しやすいことが研究で解明されています。ただ心の中で感謝するだけでなく、「~してくれてありがとう」と相手に言葉で伝えることで、この効果はより高まります。まずは親子で1日1回、感謝の気持ちを伝え合ってみましょう。対面で伝えるのが照れくさいなら、SNSやメールでもOK。このトレーニングは心療内科でうつ病の治療法としても実践されており、効果抜群です。
朝は集中力と記憶力が高まる勉強のゴールデンタイム。一方で、「勉強を始める」という行為は脳にとって負荷が大きく、スイッチを入れるのは容易ではありません。しかし、仲間といっしょにやることで、この負荷を軽減することができます。おすすめは、朝、友人と早めに登校して、いっしょに勉強すること。休日などは、起床時間や勉強を始める時間を決めておき、起きたら連絡し合うなど、いっしょに早起き&朝勉強を実践しましょう。
模試を受けた日に、友人と集まって反省会をしましょう。将棋の対局後に棋士が差し手を振り返る感想戦さながら、「良かったこと・良くなかったこと・次回に向けた改善点」について、1人3分ほどでさっと振り返ります。具体的な to do を挙げることで、「できなかった」というネガティブな感情を断ち切れます。最後はポジティブな言葉で締めくくれば、次に向けてまたみんなで頑張ろうという前向きな気持ちが生まれるはずです。

良きライバルを見極めよう。
距離を置く判断も必要
良きライバルとは、刺激を与え合い、切磋琢磨しながらお互いを高め合える存在のこと。いっしょに勉強したり教え合ったりするなら、学力レベルが同等の相手だとなお良いでしょう。一方、相手を蹴落とすような行為や発言をする人、足を引っ張ってくる人には注意が必要です。よくあるのが「勉強していない自慢」をしてくるタイプ。人間の脳には相手の脳の働きをコピーする性質があり、自分の意欲まで下がりかねません。受験生の間は、こうした友人とは距離を置いたほうがいいでしょう。


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