駿台予備学校 大森 徹 先生
生物を得意にする救世主として有名。『生物 基礎問題精講』やDoシリーズ『入試生物の講義』『生物 記述・論述問題の解法』(いずれも旺文社)、『大森徹の最強講義126講 生物』(文英堂)などわかりやすさで大好評の著書多数。
生物には様々な単元があるが、それらは有機的なつながりを持っている。しかし、目の前の単元だけの学習ではそれらのつながりが見えないので、まずは教科書を一気に最後まで通読してみよう。細かいことは気にせず、覚えようと気負わず、読み物のつもりで気楽に読んで全体像をつかむとよい。その後、単元ごとに1つ1つ丁寧に読んでいくが、今度はいろいろな現象やしくみを、ストーリーとしてとらえながら読むようにしよう。自らの手で紙に図解しながら流れを書き込んだり、それを口に出して説明できるようにしながら読むと、理解がさらに深まる。次に、1つの単元が終わるごとにすぐに問題演習を行う。学習した内容が「どのように問われるか?」を意識することで、生きた知識として定着しやすくなる。理解できていなかったところは、教科書に戻って該当ページを熟読すること。
「血糖濃度を低下させるホルモンは?」に対して「インスリン」と答えるような一問一答式の学習ではなく、「血糖濃度が上昇すると間脳視床下部がこれを感知して…」という具合にストーリー化する学習をしてほしい。そのストーリーを語りながら図を描く練習をすることが、知識の定着と同時に論述対策にもなる。また、典型的な論述問題をマスターすることで、生物特有の表現も身につく。
考察問題は数を多くこなすだけでは決して克服できない。1つの問題から教訓を得ていく必要があるからだ。「どこにヒントがあり、そのヒントをどこでどのように使うか?」を意識しながら復習するとよい。また、共通した思考過程というものもあるので、そのような思考過程を再現する訓練を積むこと。考察問題の考え方を身につけるための専用問題集もあるので、それを利用するのも効果的だ。
まずは、典型的な計算問題のパターンをマスターしよう。目新しい計算問題でも、「どのような状況か?」を図解して対応関係をつかめれば、解答の糸口が見えてくる。グラフ問題についても、まずは典型的なグラフで「縦軸・横軸とそれらの単位は?」「なぜ傾きが変わるのか?」「どんな実験から描かれたグラフか?」などを意識して学習すると、初見のグラフも読解できるようになるだろう。
問題を解くのが遅く、模試でも最後の問題までたどり着けないという悩みをよく聞く。急に頭の回転が速くなってサクサク解けるようになるはずはないが、問題文の中で解答に必要なポイントとなる部分を迅速に見極める練習や、複雑な実験を手際よくメモする訓練をすることで、解くスピードは上がってくる。ただし、知識で解ける問題を素早く確実に解けるようにすることが先決である。
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