代々木ゼミナール個別指導 菅野 祐孝 先生
『ココが出る!! 日本史ノート 歴史総合,日本史探究』『タテヨコ 日本史総整理 テーマ史』(いずれも旺文社)、『日本史図版・史料読みとり問題集』(山川出版社)、『共通テスト日本史〔文化史〕』(教学社)など著書多数。
日本史は受験科目の中でも大きな切り札になる。その日本史で得点が伸びない理由は、(1)教科書の内容を理解していない、(2)細かい年代や用語にとらわれ、やみくもに覚えようとする、(3)問題集を解いていない、の3点に絞られる。まずは、教科書を欄外注や図版も含めて精読し、時代別・項目別に要点をサブノートに整理すること。この作業によって覚えるべき内容が確実にセットされる。間違えやすい漢字は何度も紙に書いて覚え、理解に行き詰まったらそのつど先生に質問するとよい。また、学習が進むにつれどうしても既習内容を忘れたり記憶が曖昧になるため、復習が非常に大きな意味を持つ。忘却防止には、問題演習が一番である。学習した内容を問題集で解き、「問題に慣れる」ことを目指そう。これをルーティンとして繰り返せば、得点力は必ずアップする。
文化史の学習は、例えば「法隆寺金堂釈迦三尊像は飛鳥文化だが、法隆寺金堂壁画は白鳳文化」などといった「建築・彫刻・絵画がどの文化に属するのか?」で混乱してしまう受験生が多い。まずは、旧石器文化から戦後の現代文化まで、各文化の特徴・美術作品・文学作品などを作者名とセットでまとめよう。文化史専用のサブノートを用意し、教科書の内容を中心に各文化を見開き2ページ単位で、図版を貼付しながら丁寧に整理するのがコツ。文化史攻略には暗記が不可欠なので、声に出して唱えながら徹底的に覚えよう。
入試に出てくる選択問題のほとんどは正誤判定問題であり、しかもその選択肢はすべて罠が仕掛けられ判定しにくく工夫されている。したがって、歴史事象についての理解が曖昧だったり、用語の意味や年代がうろ覚えだと、正解には至れない。正文・誤文の択一問題には消去法が使えるが、誤文に対しては誤りの箇所を見極める識別力が求められる。重要なのは、「年代や用語は正しいか?」「主語と述語の関係や因果関係に誤りはないか?」「設問の条件を満たしているか?」などを吟味しながら解くことである。
共通テストでも私立大でも、史料読解問題はよく出題される。史料文を読み、その内容について正しいもの2つを選ぶ組合せ問題や正誤択一問題、2文の正誤組合せ問題が主流である。表記が文語体なうえ、史料そのものが初見であるケースが多いため、苦手意識を持つ受験生が多い。ただし、初見であっても注釈を手がかりに丁寧に読み進めれば容易に文意がつかめる内容なので、いたずらに恐れることはない。また、古文の授業のように文法的に厳密な解釈は必要ないので、おおよその意味をつかめれば十分だと考えよう。
この続きを読むには
に登録(無料)が必要です
さらに旺文社のサービスで
この他にも便利な機能が!
詳しくはこちら