※紹介する3学部の内容は、認可申請中のものです。内容は変更になる可能性があります。
画像提供◎立教大学
技術が進歩し続ける現代社会では、分野をまたいだ知識や技術を持つ人材の需要が高く、広い視野でさまざまな立場の人に寄り沿うことが求められる。しかし、基本的に大学の学びは専門性を高めるもので、“狭く深い”。それを打破するのが立教大の掲げる「リベラルアーツ」で、環境学部では特に体現できるのだと、小林潤司教授は言う。「専門性が高まれば高まるほど、その視点でものを見がちです。しかし、他分野の知識を得ることで、専門分野の“色眼鏡”を外すことができます」。
環境学は、さまざまな学問分野を横断する。大久保奈弥教授は「たとえば、脱炭素のための再エネ事業。地域創生に関わることなので、法学や政策の知識が必要です。また、環境や生き物への影響を避けるために、生物学の知識も欲しい」と話す。1つの専門性を高めるだけでは、太刀打ちできない分野なのだ。つまり、環境学部の学びは、“狭く深く”だけではなく、“幅広く+専門分野は深く” (下図参照)が求められている。冒頭の、社会で求められる「分野をまたいだ知識や技術を持つ人材」「広い視野でさまざまな立場の人に寄り沿うこと」が可能になる。

環境学部の新設に合わせ、池袋キャンパス内に新建物も竣工する。新研究室棟(下画像)には、環境学部の研究室を多く置く予定。棟内には、先生や学生同士で会話ができるスペースを設けるという。自分の専門外の先生や学生ともかかわることで、新たなひらめきや発見、別の視点を得る機会につなげる狙いだ。

※完成イメージ

現場での授業を多数予定(上は北海道での環境教育プログラム、下は埼玉県での里山保全活動)

学部設置はゼロからのスタート。教授陣が環境学全体をカバーする授業内容を考え、カリキュラムを組んだ。つまり、すべての授業が教授陣の肝入り。“文理を越えて幅広く”を意識した内容のものも多いという。
学部の特性上、目立つのは文理融合の授業。目玉授業の1つである「環境フィールドスタディ」は、環境課題を抱える土地に実際に出向き、現場で学ぶ。文理をまたぐ教員が複数付く形で、分野も視野も偏らせない。二ノ宮リムさち教授は「やらされる授業ではなく、やりたくなる・楽しくなる授業を考案しました」と笑顔を見せる。
入試も、文系方式・理系方式を設ける。文系の受験生は、入学後の授業への不安があるかもしれないが、大久保教授は「私は大学院で“理転”したので、気持ちはわかります。ですが、やりたい気持ちがあれば大丈夫」と受験生の背中を押す。導入科目の実施など、サポート体制も整っているという。
3人の先生方は新学部の学びについて「絶対に楽しいと思う」と口をそろえた。ゼロから始まる新学部が、熱意を持って動き出す。
社会的にはあまり広がっていないが、日本の環境基本計画にも登場する言葉。環境学部はこの「環境正義」の追究も掲げている。環境問題には、不公平な側面が多分にある。社会の格差のなかで弱い立場にある人々にしわ寄せが行ってしまうことも。二ノ宮教授はこう話す。「環境問題の解決だけを謳っても、“公正な社会を作る”という視点を持たないと、みんなが幸せにはなれないんです」。
自分だけではない誰かのために、公平で公正な社会をつくる。立教大の建学の精神にも通ずる思いだ。


この記事は
「螢雪時代(2025年7月号)」
より転載いたしました。
「螢雪時代」最新号は好評発売中!
詳細はこちらをご覧ください。
この続きを読むには
に登録(無料)が必要です
さらに旺文社のサービスで
この他にも便利な機能が!
詳しくはこちら





