「人間はAI(人工知能)に仕事を奪われる」――。
今や暮らしの中にも浸透しているAIには、こういった弊害を指摘する声もある。果たしてAIは、人類に敵対する存在なのか、便利な暮らしを実現するツールなのか。大学での活用の現状や問題点を、AI研究に携わる南 泰浩先生に伺った。
編集協力◎株式会社エディキューブ
慶應義塾大学大学院博士課程修了。NTT、マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員などを経て、電気通信大学大学院情報理工学研究科教授。汎用人工知能(汎用AI)の実現を主眼とし、音声認識、音声対話処理、知能情報処理の研究に従事している。
AIとはArtificial Intelligenceの略で、日本語では「人工知能」と呼ばれる。決まった定義はないが、一般に「人間のさまざまな知覚や知的行動をコンピュータに行わせる技術」といった意味合いでとらえられている。
生成AI(Generative AI)はそのひとつで、自然な言葉で指示や質問をすることで、プログラミングなどの専門的な知識がなくとも、コンピュータで新しい文章や画像、音楽などを生成=作れるもの。従来のAIも生成AIも、コンピュータに膨大なデータを学習させるのは同じだが、従来型がデータの中から適切なものを選んで回答するものである一方、生成AIは新しい独自のコンテンツを生み出すことができる。文字での指示や質問に対して文字で回答するChatGPTのほか、文字で指示して画像や音楽、動画を生成できる生成AIも公開されている。
「ChatGPT について専門用語を使わずに 150 文字で説明して」と入力した、ChatGPT の回答画面。※
※写真は2025年5月現在のChatGPT無料版の画面です。同じ指示や質問でも回答は毎回変わるため、この写真と同じ指示をしても、同じ文章が生成されるとは限りません。
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