『螢雪時代』7月号では、2026年4月に新設予定の3学部(熊本大学 共創学環/東京理科大学 創域情報学部/立教大学 環境学部)を直撃取材した記事を掲載。パスナビでは、開設2年目を迎えたばかりの熊本大学 情報融合学環を紹介しよう!学生を迎え入れてからの進化・変化はいかに!?
プログラミング演習の様子。ティーチングアシスタント(TA)を複数配置して、英語で実施している。画面右は、担当教員のタンダ シュイ助教。
データサイエンスやAIなど、情報学を学ぶ情報融合学環は開設2年目。情報学は一般的に理系の学問分野だが、情報融合学環は「文理融合」を掲げている。
近年は「文理融合」を掲げる学部が相次いでいるが、文と理の比率は大学・学部によって大きく差がある。情報学など理工系を軸に文系分野の素養も学べる学部もあれば、文系学問の中でデータを活用するような学部もある。
情報融合学環はどちらかといえば前者で、理系寄り。目指すのは、文部科学省が掲げる「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」のトップに位置するエキスパートレベルを適える学生の養成だ。データサイエンス・AIを駆使してイノベーションを創出し、世界で活躍できる人材を育成、社会に送り出そうとしている。
情報融合学環では、データサイエンスやAIを駆使するための知識や手法を学べるほか、それらを実際に活用するための基礎知識も身につけられる。たとえば、経営や金融、スポーツなど。これらの基礎知識がなければ、数多のデータをどう活用するべきか、わからないだろう。そのため、情報融合学環は情報学以外の学問分野の素養を身につけられるカリキュラムとなっている。工学部や医学部、文系の法学部など、熊本大学の既存学部の授業が履修できるのだ。
情報融合学環の掲げる「文理融合」は、このように文系・理系の垣根を越えて学べる点にある。
さらに、熊本大にはない学部の学問も学べるよう、近隣の熊本県立大、東海大(熊本キャンパス)から科目提供を受けている。たとえば、農学はデータサイエンスを生かしやすい学問であるが、熊本大には農学部がないため、東海大の授業をオンデマンドで受講し(単位としても認められる)、知識を得ることができる。
文理融合とはいえ理系寄り、と聞いてやや敬遠する受験生も多いだろう。だが、安心してほしい。一般選抜では文系型・理系型の入試方式を設けており、文系の学生も歓迎している。
文系型入試での入学者の中には、数学Ⅲを勉強してこなかった学生もいるが、1期生の成績では入試方式による差は見られなかったそうだ。つまり、文系型入試で入学した学生も、問題なく授業についていける。高校数学を学び直すための授業も履修できるため、数学Ⅲを勉強していない受験生でも安心して良い。
ちなみに、過去2回の入試では、入学定員60人のうち約3割が女子だったそうだ。
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