画像提供◎立命館大学

衣笠キャンパスの既存施設を、新学部のために改修中(完成後イメージ図)
デザインとアートを学ぶ新学部が、立命館大学に誕生する。八重樫文教授は言う。「これからは、ありたい未来を作り出していく能力が問われていくと思います。既存のものに、デザインとアートの両面から新たな意味や価値を生み出す力です」。そんな考えから生まれる新学部では、高性能化するAIなど、目まぐるしく変化する情報社会の先を見据える。生身の人間の創造力に焦点を当て、未来の形を探究する。
八重樫教授は「自分の頭の中を伝えるとき、ビジュアルでの表現は、言葉より伝わりやすかったり、言語の壁を越えることすらあります。デザインとアートは、人間性や社会も豊かにします」と、新学部の軸を芸術学に据えた理由を説く。しかし実技を重視しすぎることはない。一般選抜でも実技試験を課さない。「絵がうまい人3人より、別々の個性を持つ3人が集まるほうが、イノベーションが生まれるはず」と八重樫教授。「これまで大学の芸術分野はテクニック重視で、“芸術と社会を接続する方法”は二の次でした。だからこそ新学部では、培った芸術性を社会に生かすことを重視したいんです」(八重樫教授)。
芸術性を社会に生かすために、新学部では“学び方”も新構築するという。本来、大学での学びは積み上げ式で(下図参照)、卒業研究や卒業論文を完成させるために基礎科目から順に学んでいく。しかし、新学部ではプロジェクト科目を中心に据え、その達成に必要な要素・知識をつけるためのインプット型授業をオンデマンドで受講できる形をとる。従来の積み上げ式の学びに、横に拡張するような学び方を加える。「実際にプロジェクトに参加してみて、必要なものを学ぶ。学び方すらデザインするのが、新学部のコンセプトです」と八重樫教授。たとえば、CGのプロジェクトに参加しつつ、グラフィックデザインの授業を履修するような形だ。

オンデマンド授業は、ほかにもメリットがある。プロジェクト科目を学外で行う場合、時間割通りの授業が足かせになることもあるが、オンデマンド授業であれば柔軟に対応可能。実践を大切にしつつ、知識のインプットも疎かにならない。ただ、教員やほかの学生とコミュニケーションを取る機会が少なくなるデメリットがあるため、メタバース上でコミュニケーションが取れるバーチャルキャンパスを構想中だ。
また、立命館大学ならではの強みとして、八重樫教授は「総合大学であること」を挙げた。さまざまな分野の学部を持つからこそ、芸術を社会に接続する「他分野×芸術」を実践できる土壌がある。また、学生自身の経験としても、他分野を専門にする友人ができることで、視野が広がるという。
「芸術学の分野では、デザインとアートは別々に学ぶものでした。しかし、新学部ではどちらも網羅します。環境やカリキュラムなど、従来の芸術系学部とは違った学びを実施します」(八重樫教授)
世界への感度を上げ、新たな意味や価値を創造する。新学部は、デザインとアートで未来を切り開く。
新学部の拠点は、法学部・産業社会学部・国際関係学部・文学部がある衣笠キャンパスだ。デザイン・アート学部の新設に伴い、新棟の建設、既存施設の改修が行われる。また、同敷地内には伝統芸術や美術品のデジタルアーカイブで多数の実績がある「立命館大学アート・リサーチセンター」も。龍安寺と金閣寺に挟まれる位置にあるキャンパスなので、京都に根付く伝統や文化に携わりたいなら、この上ない環境だ。

新棟の完成イメージ図

新棟の内装イメージ図

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