河合塾
佐藤 裕治 先生
東京大学大学院理学系研究科修了。河合塾で長年にわたり、授業、模試作成、入試問題の分析に携わる。日本地理学会地理教育専門委員を務め、大学入試制度や高校の教育課程の改革に関しても詳しい。

本試験の大問構成は、地理総合が「国際理解と国際協力」「生活圏の調査と地域の展望」、地理探究が「自然環境」「資源と産業」「人口、都市」「現代世界の諸地域」の分野からの出題であった。追試験も同様の大問構成で、今後はこれが標準となると思われる。地理総合の「地図と地理情報システム」で扱う地図資料を用いた問題は、分野に関わりなく小問で出題されると考えられる。全体的に資料を基に思考力を試す問題が多いが、大問別得点率は第6問の地誌が最も低かったことから、地誌的な知識も疎かにできない。2025年の平均点は2024年の「地理B」より8.26点下がり、2021年以降の共通テストの中で最低だった。これは、2024年には9問あった正答率8割超の小問が、3問まで激減したためである。

出題予想
具体的な地域について生徒が調査を行う形式で出題されるが、小問数は4つで、地域の特徴的なテーマが扱われる。新旧地形図から地域の変容の判読、地形図から自然災害と防災、統計資料から地域の課題や将来の展望を考えるなど、様々な資料の判読が求められる。
対策
多くの受験生にとって未知の地域が取り上げられ、初見の資料が扱われるので、知識だけでは対応できないが、資料の的確な判読ができれば内容はそれほど難しくはない。地域の課題や展望は、難しく考えずに地域の特性から判断したい。資料が多いので、短時間でこなせるように、旧課程も含めた過去問の演習で出題形式に慣れておくとよい。
出題予想
プレート境界と変動帯の分布図に陰影起伏図や地形断面図などを組み合わせた地形に関する問題や、降水量や風向などの分布図とハイサーグラフなどを組み合わせた気候の問題といった、複数の資料を用いて自然環境の地域的違いを判断させる出題が予想される。
対策
プレート境界の種類と大地形、大気大循環と降水など、自然環境の地域的違いをもたらすメカニズムを確実に押さえ、教科書や地図帳に示された様々な分布図やグラフがどのような自然環境の特徴を示す目的で作成されたものであるかを理解する必要がある。自然環境と人間生活の関わりも扱われるので、自然災害の頻度や地域的特徴も整理しておきたい。
出題予想
農林水産業や工業、エネルギー・鉱産資源に関して、国・地域別の生産量などを統計地図や表・グラフで示して、国・地域や指標を判定させたり、グラフを判読して国・地域や産業の特徴を示した文章との組み合わせを答えさせたりする形式の出題が頻出している。
対策
気候と農業の関係や工業の立地条件など、各産業の特徴をしっかり押さえるとともに、国・地域を産業の発展段階や経済状況からタイプ分けして整理する必要がある。産業の発展と関連づけて各国を先進国・新興国・発展途上国に分け、それぞれ代表的な国の国名や産業の特徴、人口規模などを表にまとめたり、地図上の位置などを整理しておきたい。
出題予想
北アメリカやヨーロッパなど特定の地域や、環地中海など複数にまたがる地域、カナダとオーストラリアのように共通の歴史を持つ複数の国を取り上げて、自然環境や産業、人口、言語・宗教の特徴を、分布図やグラフ、写真などの資料を示して判定させる出題が多い。
対策
地誌の学習は、地図での整理が効果的だ。まずは、地域ごとの白地図を利用して大地形区分・気候区分などの分布図を作成し、特徴的な海岸地形なども書き込みつつ自作のサブノートを完成させたい。さらに、人口規模や一人当たりGNI、農産物の生産量、代表的な工業地域なども地図で整理し、国や主要都市の位置をしっかり把握することが重要である。


演習開始時期:12月上旬~
目標使用量:6回分

まずは、2025年の「地理総合、地理探究」の全問を制限時間内(60分)で解いてみよう。現段階での自分の状況をしっかり自覚することが大切である。地図やグラフが多いので、1問ごとに丁寧に見ていたら時間が足りなくなるのは必至だ。正解のチェックは、時間がかかっても確実に理解できるまでやっておくこと。旧課程も共通テストの問題は押さえておきたい。

現行課程の教科書は、本文に加えてコラムや図表の解説も充実しており、最も重要な対策アイテムであることは言うまでもない。手薄であった地誌をサブノートで整理するには、地図帳や資料集での確認も必要だ。共通テスト模試の問題は、解説を活用して納得のいくまで解き方を確認したい。せっかく解いた問題が身についていないことほど空しく悲しいことはない。
この続きを読むには
に登録(無料)が必要です
さらに旺文社のサービスで
この他にも便利な機能が!
詳しくはこちら




