河合塾
上住 友起 先生
東京大・京都大などの志望者が受講する世界史論述から共通テスト・私立大の講座まで担当し、大きな支持を得る。『一問一答 世界史 ターゲット4000』(旺文社)など著書多数。近年は実業家としても注目される。

全体のレベルは2024年と同程度だったが、歴史総合を扱った第1問は、世界史からの出題が多く解答しやすかったと思われる。全大問で地図・資料・図版・データなどとそれに基づいた説明文や会話文が示され、知識と読解の両面から考察させる問題が多く出題されたが、この手の問題は慣れていないと解答に時間がかかるので要注意だ。時代的には歴史総合が加わったために近現代史の比重が少し増したが、例年通り古代から現代まで隈なく出題された。地域的にも各地域から万遍なく出されたので、偏った学習をしていた受験生は苦戦したと思われる。分野としては政治史からの出題が目立ち、社会経済史や文化史の比率がやや下がった。2026年は揺り返しで社会経済史や文化史の増加が予想される。

出題予想
2025年の第1問:問4は、「日本と中国の綿糸生産量と自給率」のグラフを分析したうえで歴史総合の知識から解答する設問だった。2026年も近現代の日本を含むアジア諸国と欧米との関係について史料・図版・データを駆使して問う問題となることが予想される。
対策
19世紀以降の学習は、常に日本を含むアジア諸国と欧米諸国の関係を意識しなければならない。特に世界の政治・社会経済・文化については、国別の学習も重要だが、相互の関係性などにも注意しよう。図版・資料・年表・データ・会話文から考察させる問題になると予想されるので、過去問や問題集などでのトレーニングも欠かさないこと。
出題予想
2025年の第2問:問1は「カイロとペストに関する歴史」の資料を基にした設問で、資料中のヒントから空欄に入る都市を特定し、その都市で発生した事象を資料の時代から解答する問題だった。このような読解と知識の両面から考察させる問題が主流となるだろう。
対策
センター試験は用語と年代に関する知識で解答できる問題が多かった。しかし、共通テストでは用語(歴史事象)の意味・内容と時代に関する知識を複合的に絡ませて読み解かないと正答に至らない問題が主流なので、一定の演習量が求められる。ただし、暗記に頼る比重はセンター試験より軽減されているので、考察力の養成を心がけて学習しよう。
出題予想
2025年の第3問:問1・問3はローマと漢に関する資料問題で、読解力が重視されていた。ただし、問3のように史料をほぼ読まずに用語的な知識だけで解答できる設問も混在しているため、資料の読み込みの必要性を判断したうえで取り組む必要があるだろう。
対策
共通テストはセンター試験と比べて読む量が圧倒的に多い。しかし、資料をほぼ読まずに解答できる問題も散見される。リード文や史料を読み込む前に設問に目を通し、読む必要があるか判断するとよい。そのうえで問題に取り組むと時間を節約できるので、慣れるためにはセンター試験の過去問よりも共通テストの過去問や予想問題集を使いたい。
出題予想
2025年の第4問:問1は、「イギリスの綿花輸入元に関するグラフ」からの数値読み取りと、19世紀・16世紀の時代背景とともに産業革命や第1次囲い込みに関する知識も必要だった。こうした問題では、歴史的事象と年代との関連を把握することが最重要となる。
対策
問題に使われる資料やデータには、すでに教科書や資料集で掲載されているものは使われない。つまり、グラフ問題の攻略に必要なのは、初見のデータを分析する力をつけることである。そのため、教科書や資料集にあるデータは、そのものを丸暗記するのではなく、数値の増減をその年代の知識と結びつけながら理解するために使い、分析力を養うとよい。


演習開始時期:11月中旬~
目標使用量:10回分

2022年の第3問「世界史上の人々の交流や社会の変化に関する問題」は、共通テストの定番である会話文による出題。空所の前後を読み、入る語を確定させないと解答できないので、この年度から演習を始めよう。共通テストの過去問は追試験分も含めて演習すること。センター試験の過去問は形式が違うため、時代・地域・用語的知識の確認用として使うとよい。

新課程では日本史を含む歴史総合から25点分出題されるため、共通テストの過去問だけではどうしても知識的に不足する。それゆえに、新課程の共通テスト予想問題集を使用した演習を必ず行おう。演習で間違えた箇所は、必ず教科書に戻って知識の確認を行うこと。同時に図説(資料集)なども利用して、同時代の政治的・経済的・文化的な絡みまで確認しよう。
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