河合塾
日髙 昌武 先生
「考える・判断する」ことの実践を重視する授業を行う予備校講師。「世の中には多様なもののとらえ方があると理解することが、学力の向上につながる」との信念を持って受験生を指導している。

大問数6・マーク数32。「公共」のうち「倫理」分野の出題となった第2問では、思想の内容についての正確な理解が求められたが、難易度は標準的であった。「政治・経済」からの出題では、一部に難易度の高い出題も見られたが、標準レベルの知識で十分対応できる問題が多数を占めた。資料の分析や論理的判断を求める問題も2024年と同様に出題されたが、難易度はかなり下がっており、落ち着いてグラフや文章を読めば対応は可能だろう。受験生があまり見慣れていないような計算問題も出題されたが、出題の内容や解答の条件を正確にとらえることができれば、確実に正解できる問題だった。全体的に、知識を用いて冷静に解けば、高得点が期待できる問題であったと言える。

出題予想
市場機構についての計算問題のような、問題の条件を数多く示した問題は以前からあるが、今後も継続して出題される可能性が高い。また、検察審査会についての出題のように、文章を読み取るのに一定の知識があるほうが望ましい問題も想定される。
対策
問題条件を読み取ったうえで、解答に必要な情報をその場で選び取る判断力を養うことが欠かせない。「この制度の中で最も重要な要素は何か?」などと日頃から意識しながら学習することが有効だ。また、制度や概念についての詳細な知識も必要である。基礎的事項をひと通り押さえた後、さらに学習を深め、正確な知識を整理して身につけてほしい。
出題予想
最近の金融政策や債券価格の変動など、時事的動向や経済のしくみについて問う問題は、2025年よりやや難易度を下げた形で出題される確率が高い。そして、グラフを用いた出題は、知識と読解力の双方を試す問題として、2025年に引き続き見られるだろう。
対策
金融・財政や市場機構などは、経済の基本的構造についての理解が必要な単元である。ここでは、丸暗記に頼らない論理的で丁寧な学習が必須である。また、地域紛争や国際経済の動向、主要国の政治体制についての動向など、最近の出来事を知ることも試験対策には有効だ。学習した知識や理解を社会情勢への関心につなげよう。
出題予想
労働問題や社会保障など国民の福祉生活に関する単元では、最近の雇用情勢や社会保障上の問題に関連する用語の正確な理解が、高得点獲得の必須条件になる。また、情報社会や生命倫理など、受験生の盲点になりやすいテーマにも注意を払う必要がある。
対策
政策や制度を学習する際に大事なのは、その内容だけではなく、それが導入された背景や目的まで押さえることである。また、貧困や少子高齢化など社会的な課題と向き合う際に必要な知識について問われることを想定し、各種教材に記載されているテーマについて、「自分ならどう考え、どんな意見を持つか?」を考えてみるとよい。
出題予想
地方自治や政党政治・選挙制度など、政治参加やその促進による社会形成に関する出題が想定され、制度の内容や政治の現状への理解が試される。また、空所補充問題は2024年までと同様、制度が導入された根拠や背景について問う出題となるだろう。
対策
ここでは、先に示した単元のほか、国会や内閣・行政に関する制度やしくみについての出題になるので、その内容を詳細に覚えておく必要がある。丁寧な学習を積み重ねて正確な知識を身につけよう。また、文字数の多い資料を読み取らせる問題も想定しておくこと。新聞の記事など一定のまとまりのある文章に日頃から接しておくことが効果的な対策だ。


演習開始時期:12月頭~
目標使用量:5回分+α

12月から過去問演習に取り組もう。最低でも5回分を週1回のペースで解き、2025年の本試験・追試験は本番直前に取り組み、時間配分のシミュレーションも行っておく。解いた後は、不正解だった問題について「なぜ間違ったのか?」を検証すること。また、センター試験の過去問も、必要な知識の難易度のレベルに大きな違いはないので活用するとよい。

共通テストでは表やグラフが多用される。資料集に記載されている表やグラフを見て、それらが「示している事実」を確認する作業に取り組んでみよう。単元別の問題集は知識の整理や確認に使うとよい。思考力・判断力が問われる問題や、問題文・選択肢のボリュームがある問題は、共通テストの予想問題集で同種の問題を解くことで出題形式に慣れておきたい。

この記事は
「螢雪時代(2025年12月号)」
より転載いたしました。
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