『螢雪時代』アドバイザー
大竹 真一 先生
長年にわたり河合塾講師として受験生を指導。旺文社の『全国大学入試問題正解 数学』の解答者・巻頭言執筆者を務め、受験生向けの参考書・月刊誌、大学の教科書など多数の著書がある。また、大学でも教鞭をとっている。

「三角関数」は単位円を基にsinαとsinβの関係を考える問題、「指数関数・対数関数」は水草の量を適切に保つという日常の作業について常用対数を用いる応用問題であった。このような問題は、この分野の基礎的かつ深い理解があれば易問であるが、単に公式を覚えているだけだと対応できない。また、「数列」は格子点、直線の方程式、指数関数のグラフなども併せて用いる融合問題となり、分野を越えた広い視野を持って関連を考えることが必要だった。一方、図形的な分野では、空間におけるベクトル、複素数の偏角、直交条件、円や直線の方程式と、苦手とする人が多い内容が、出題されている。このように、典型的な問題ばかりではなく、深い理解を要求する目新しい問題が出されるようになった。

出題予想
この分野の傾向はそれほど変化がないが、新傾向の1つに融合的内容の問題が挙げられる。履修内容の多い数学Ⅱは、幅広く出題する条件が揃っている。微分や積分は式の取り扱いで、因数定理や三角関数、図形に関しては軌跡や領域などで融合されやすい。
対策
2接線のなす角を求めるには、微分係数とタンジェントの加法定理が必要だ。領域の面積を求める問題では、領域を適切にとらえられなければ積分の知識が無駄に終わる。融合問題は一見難問に感じるが、表面的な複雑さがある分むしろ難問は少ないものだ。すべての分野にわたってモレのない基礎学力を充実させることが、最善の対策である。
出題予想
2025年の本試験は、格子点との融合問題だった。「数列」としては易しく、等差数列とΣの計算だけなので、実は「格子点をどう扱うか?」という問題である。一方、追試験は漸化式も数学的帰納法もあり、「数列」が前面に出された問題で、難易度もやや高かった。
対策
2026年は2025年の追試験のような問題になるだろう。これまでの共通テストやセンター試験で出題された数列は、一定のレベル以上のものが多かった。例えば、教科書にはないような形の漸化式を誘導付きで出題し、その過程で理由や論理も関わらせている。漸化式、数学的帰納法も要注意だ。共通テストだけでなくセンター試験も研究してみよう。
出題予想
教科書の章は「確率分布」「統計的な推測」の2つの節から成る。しかし、共通テストでは出題の比重が後者にあるようだ。2025年の本試験・追試験、試作問題のすべてでそうであった。仮説検定が新課程で新たに加わったことによる当然の扱いだろう。
対策
「統計的な推測」が中心だからといって、そのベースとなる「確率分布」の学習を疎かにはできない。この項目の難しさは、定義・定理・公式が数多くあり、基本的な事項ながら十分に身についているかが問われるところにある。曖昧な知識のまま問題演習に入るのでは意味がないので、まずは徹底して教科書を学び直そう。その後は演習も進むはずだ。
出題予想
受験生にとって、この分野は「平面上の曲線が出るか?」「複素数平面が出るか?」が気になるだろう。2025年の本試験・追試験は「複素数平面」、試作問題は「平面上の曲線」だった。出題の可能性はいずれにもあるし、それだけでなく双方の融合も予想される。
対策
複素数は円や直線を方程式を用いて表せるし、点を回転したり対称移動したりもできる。ある図形を回転させて2次曲線の標準形に変形できれば、曲線の焦点や準線、漸近線などが得られる。このように、融合問題となる可能性もかなり大きい。分野は違うがコンピュータを用いる内容は、共通テストの試作問題で出題されているので参照してほしい。


演習開始時期:12月中旬~
目標使用量:8回分

2021年から2025年までの過去問のうち、2022年は平均点が低く傾向に沿わないので、その他の4年分で演習しよう。選択科目は新旧課程で異なる点も多いが、「数列」「ベクトル」は数学的な内容が優れており、この傾向は続くと予想されるので、必答問題とともに学んでおこう。共通テストの持つ多様なマーク形式と、解法の誘導の仕方、問題文の読解に慣れておきたい。

2024年以前の共通テストの過去問では、新課程の「統計的な推測」「平面上の曲線と複素数平面」を扱っていない。これらの対策には、2025年の本試験・追試験のほかに、新課程の模試は本番に近いので、これらを活用するとよい。また、共通テストに出題されるやや易しい証明問題などは、教科書に意外と多くある。定義や定理・公式などの復習にもよいので利用したい。
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