代々木ゼミナール
中川 雅夫 先生
丁寧で明快な講義と個別の質問対応などで面倒見のよさは定評がある。『物理の良問問題集』『物理 標準問題精講』『物理 思考力問題精講』などの著者で、『全国大学入試問題正解 物理』(いずれも旺文社)の解答・校閲者を務める。

「物理」「物理基礎」ともに、単に身につけた知識だけでなく、その基礎知識をいかに活用できるかが問われる。具体的な状況設定や実験に関する問題など内容を工夫することで、公式や解法を暗記しただけでは解きにくいように設計されている。したがって、基本問題の演習で“基礎力”を固めることは不可欠だが、それだけでは高得点は難しい。さらに、実験や現実的な状況を扱った問題が頻出することも共通テストの特徴だ。このような問題では状況を説明するために問題文が長くなるので、読解力・理解力・分析力を鍛えておく必要がある。すなわち、共通テストは“基礎力”を試す試験であるが、“物理の力”をどれだけ自分のものとして活用できるように身につけられたかが問われるのである。

出題予想
力学・熱・波動・電気・原子の分野から4問出題される。分野が重複する場合もある。内容的には基本レベルだが、身近なテーマを問題にしたり、上辺の知識だけでは解きにくくしたりなど、工夫された出題となっている。この出題傾向は継続すると予想される。
対策
教科書を読んで身につけただけの知識では対応できない問題も多いので、問題演習により「考えて解く」作業に慣れよう。基本問題の演習は、物理に慣れるには大切だが、これだけで十分とは言えない。過去問を活用して、「どう考えればよいか?」を念頭に置きながらポイントを押さえた演習を行おう。センター試験の過去問にも積極的に取り組みたい。
出題予想
力学・熱力学・波動・電磁気・原子から5問出題されるが、同じ分野から2問出る場合もある。基礎力を試す問題だが、効率的に処理しないと手間取る問題も見られる。ここに時間をかけすぎると、残りの大問3つに十分な時間がかけられなくなるので要注意だ。
対策
難しい問題ではないので、素早く確実に解いて他の大問に繋げたい。そのためには、なるべく標準レベルの問題演習を積んでおこう。さらに、着実に解くには少し難しい問題にもあたっておきたい。したがって、共通テストのみの受験生にとっては対策にかけられる時間が十分にとれない中で大変だが、過去問を活用して考え方を鍛えておくとよい。
出題予想
2025年の本試験では、個別試験のような「水平な導体レール上を運動する導体棒の電磁誘導に関する問題」が出題された。2025年の追試験は第4問が原子からの出題で、傾向の変化を感じさせるものだったが、2026年は従来通り実験を扱ったものになるだろう。
対策
2025年の本試験のような出題なら、標準レベルの問題演習を中心に、余裕のある項目ではやや難しい問題に取り組んでおけば完答できるだろう。一方、従来通り実験を扱った問題の場合、実験の様子を理解しながら標準問題の演習で養った思考力を発揮すれば対応できる。電磁気の対策に欠かせないものは、問題の状況を把握する演習の積み重ねである。
出題予想
ここ2年間、本試験では探究活動がテーマの問題が出題されている。このような実験に関する問題は、共通テストの趣旨から今後も出題が続くものと思われる。追試験ではさらに意欲的な問題も見られるが、完成度を考えると本試験のようになると考えられる。
対策
実験に関する問題の対策と言えば、「実際に実験を行い、考察すること」が正攻法である。しかし、現実的に多くの受験生にとってその環境を整えることは難しい。そこで、教科書や過去問の研究によって「実験処理の常識」を身につけ、あとは問題演習を積み重ねることで力をつけてもらいたい。問題演習を通して実験操作の意味を考えてみよう。


演習開始時期:12月上旬~
目標使用量:3回分+α

共通テストは毎年の成績データを踏まえつつ検討を重ねて作られるので、2026年の対策としては、2025年の本試験・追試験の演習を12月上旬から始めたい。さらに2024年の本試験の演習を行えば、共通テストの特徴を把握できて対策も立てられる。共通テスト形式が苦手なら、2021年以降の本試験にあたり、なお余裕があれば2021年以降の追試験も役立てよう。

「物理」「物理基礎」ともに共通テストでは教科書の理解が問われるので、直前期には教科書を通読することをおすすめする。その際、できるだけ集中的に読むと、重要事項や図・グラフが印象に残りやすい。さらに、受験した共通テスト模試の復習は、実力の伸びが確認できると同時に弱点の補強に最適である。共通テスト形式の問題が苦手なら、予想問題集も活用しよう。
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