河合塾
田中 理代 先生
河合塾では、受験生に「地学」の面白さを理解してもらいたいと30年以上講師を務めてきた。現在も共通テストをはじめとする入試問題の傾向を研究し、全統模試やオープンなどの問題作成プロジェクトに携わっている。

2025年の共通テストは例年通り、各分野における地学現象を、問題文や図・グラフ・写真などを用いて考察する問題が中心だった。「地学」では2024年よりもやや知識問題の割合が増加したが、正答率の低い考察問題が多く、全大問において正答率の高い基本問題が少なかったため、平均点は大幅に下がった。特に第1問の総合問題の平均点が、2024年の69.3%から2025年は40.6%へと低下した。また、第2問の固体地球分野では、天文分野との横断と思われる、暦の詳細な知識問題が出題され、大問の平均正答率が4割を切った。一方、「地学基礎」では2024年よりも考察問題が増加したが、著しく難問で正答率の低い設問はなく、平均点は2024年同様ほぼ7割を維持した。

出題予想
この分野では、自然災害として地震災害・火山災害・気象災害が対象となり、環境問題として地球温暖化・オゾン層破壊・酸性雨などが対象となる。2025年は気象災害・土砂災害・地震災害から出題されたので、2026年は環境問題から出題される可能性が高い。
対策
自然と環境の分野はつかみどころがないので、ここを苦手とする受験生は多い。自然災害については、地震、火山、大気・海洋の分野と関連した出題となることも多いので、各分野の地学現象と併せて理解しておくとよい。2026年に出題される可能性が高い「環境」については、教科書の図や写真、解説をしっかり押さえて確認しておこう。
出題予想
例年、ここでは1つのテーマについて、固体地球、岩石・地質・地史、大気・海洋・宇宙の各分野から1問ずつ出題されている。2026年も各分野に共通したテーマに沿って、図やデータを用いた考察問題や知識問題が出題される可能性が高い。
対策
テーマは1つに限られているが、各問はそれぞれが独立しており、小問集合と考えてよい。それぞれの設問には、固体地球・岩石・地質・大気・宇宙の各分野の地学現象に関する定番の図やグラフ、写真が用いられていることが多い。対策としては、教科書や図表などの図やグラフの示す意味を解説とともに確認し、地学現象を深く理解しておくこと。
出題予想
地質図を題材とした問題は、探究問題として定番化しつつあり、難化している。2026年も、与えられた地質図と解説文から地域の地質構造や地層の情報を読み取り、示準化石や放射年代を踏まえて地域の地史を組み立てるといった考察問題が予想される。
対策
地質図の読み取りは、教科書で「実習」として扱われているが、ルートマップや平面図・断面図・柱状図を正確に読み取るためには、演習を重ねて慣れていく必要がある。対策としては、共通テストやセンター試験、模試の過去問を利用するとよい。また、地球の環境や生物の変遷など地球の歴史については、年表でまとめるなどして把握しておこう。
出題予想
例年2~3問の計算問題が出される。2026年も、天文分野では、地球の自転・公転などの運動や惑星と太陽の平均距離と公転周期の関係、恒星の距離・質量・光度・寿命など物理量の相互関係といった、定理や法則、公式を用いて導き出す計算問題が出題されるだろう。
対策
地学の問題集や参考書はきわめて少ないので、計算問題の演習は教科書の例題を利用するとよい。会合周期の関係、ケプラーの法則、ウィーンの変位則やシュテファン‐ボルツマンの法則、ハッブル‐ルメートルの法則などの定理や法則・公式を解説で正確に理解し、それらを使いこなして正解を導き出せるよう教科書や過去問などを用いて演習するとよい。


演習開始時期:12月頭~
目標使用量:6回分

過去問は最低3年分解くことが望ましい。出題形式や問題量・時間配分を体感するために、時間を計りながらマークシートの解答用紙を用いるなど、本番通りの設定で解く。答え合わせの際は、正解・不正解を問わず選択肢のすべてを確認すること。「地学基礎」の2024年以前の問題には、天文分野などに旧課程の問題が含まれているので、新課程の教科書で確認しよう。

学習の基本は教科書なので、解説を精読し、図を確認し、例題や設問を解いて理解すること。そのうえで、12月末までに今年受けた模試を解き直して総仕上げをしよう。その際、必ず全範囲を通して解き、解説も利用して完璧に仕上げていくこと。本番直前には新課程対応の予想問題集などでヌケがないか確認し、不安な知識は再度教科書で確認して補強しておこう。
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