齋藤先生に解説いただいた友達や保護者との関係に、思い当たる点はあったでしょうか。次は、入試本番直前期に、人間関係をうまくやるための具体的なポイントを解説していただきます。


本番が迫るこれからの時期、友達との関係で意識してほしいことがあります。それは、「互いの勉強や生活のスタイルを認め合うこと」です。思春期の友達との関係は、大きく行動、懇談、対話のような順番で関係が深まっていきます。簡単に言えば、何か一緒に行動すること、おしゃべりを通じて仲間意識を確認すること、対話を通じて互いの違いや個性を認め合うこと、をそれぞれ意味します。
互いを尊重し合い、勉強や生活の違いも受け入れて関係を維持できると理想です。ただ、それが難しい場合は、友達と会話をする際に時間を区切るなどしてメリハリをつけるだけでも、互いを認め合う第一歩になります。

これからの時期、入試本番に向けて、時間は一層貴重です。友達と勉強するなら「50分間は集中して、10分間は休憩しつつ雑談しよう」などオンとオフをはっきりさせましょう。これは相手も自分も大切にする姿勢につながります。また、SNSのやり取りでは、すぐに反応がなくても「きっと勉強を頑張っているのだな」と、相手のことを尊重しましょう。また、自分との関係がお互いにとって重くなり過ぎないよう、適度な距離感を維持するのも大事です。

進路を巡って保護者と意見が食い違っている人は、不本意入学になりかねないので、できれば解決したいところです。しかし、この時期に保護者と対立するのは、相当なエネルギーと勇気が必要です。場合によっては、合格を優先して、解決を先送りする選択も考えられます。大学進学後に、改めて夢に向けて行動したり、保護者との価値観の相違を埋めたりすることもできます。担任の先生に間に入ってもらうことも検討してください。
思春期から青年期の大きなテーマは、保護者からの自立です。さらに言えば、自分を律する「自律」も大切になります。つまり、自分で立つだけでなく、自分のことは自分で何でもやれるようになることです。一方で、困った時や必要な時に、友達や家族、先生に頼ることは恥ずかしいことではありません。過度な依存は避けたほうがいいですが、必要な時に適切な人を頼ること、その判断ができることが大人になるということです。身近な人との関係は、自分が「帰属」する場所です。
受験生の皆さんには、自律と帰属の間で人間関係のバランスを取りながら、自分の人生を切り開いてほしいと願っています。

本番に向けて余裕がなくなりがちな時期ですが、保護者とは適度に会話するようにしてください。会話の中で、進路や成績に関する話題が出ることもあるでしょう。内容によっては反発したくなるかもしれません。ただ、できれば、感情的にならず受け流す方法を覚えてほしいと思います。また、保護者の言動が気に障ることがあっても、心配してくれていることや、日々衣食住のサポートをしてくれていることへの感謝は忘れないでくださいね。

受験期以降は、自律を目指しつつも、身近な人との関係への帰属意識も忘れず、両方大切にしましょう。
※イメージ図は、齋藤先生への取材をもとに編集部で作成しました。
この記事では、受験生の人間関係について解説してきました。しかし、1人で過ごす時間が多い受験生もいるでしょう。そういう人は、いま無理に友達を作ろうとする必要はありません。1人でいることが、いまの自分にとってちょうどいい在り方ということはあり得ますし、それが悪いわけでもありません。目の前の勉強に集中しつつ、大学以降の生活に期待を抱いて過ごすことができれば、それで十分だと思います。

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