
東京科学大学 教授
保健管理センター(理工学系)カウンセラー
森平 直子 先生
専門は教育相談・学生相談。博士(心理学)。臨床心理士・公認心理師。クラシック音楽を用いて心身の状態を調える音楽療法も取り入れて、学生・教職員の心理的支援を行っている。著書に『新版 教育相談ワークブック』(共著・北樹出版)など。

入試本番直前の時期、受験生が抱きやすい感情には、焦り、不安、イライラ、後悔などがあります。時間不足への焦りや将来への不安、勉強に関する後悔は、保護者の方々にも想像しやすいと思います。一方、イライラは理解しにくいものです。イライラは家族に向けられることもありますが、理由がわからず受け止めにくいかもしれません。保護者にとってきつい言動もあるでしょうが「受験前だから仕方ない」と受け流すことも必要です。
ちょっとした言葉にも敏感になっているこの時期、保護者として特に気をつけたいのは「○○ちゃんはこうだったよ」などと友達やきょうだい、親戚などと比べるような発言です。自分がやってきたことが否定されたような気持ちになり、焦りを強めることになりがちです。どんな受験生でも、その子なりに頑張ってきたことを認めてあげましょう。
ネガティブな発言に対して、即座にポジティブで返した方がいいとも限りません。ネガティブな発言であっても、自分の内側に閉じ込めておくよりは、口に出せた方がいいのです。子どもが弱音を吐いたら、「何とかなるよ」とすぐに励ましたくなるかもしれません。しかし、根拠のない励ましは「何もわかってないくせに!」と反発を招く場合もあります。まずは、「そっか、この時期は不安になるよね」と受け止めてあげましょう。そのうえで「でも、自分なりに頑張ってきたじゃない。だから、焦らずに臨めばいいと思うよ」と根拠とともに励ましてあげてください。

試験前日は、持ち物や試験会場までのルートの確認など、現実的な部分をさりげなくフォローしましょう。また、当日の朝は「いよいよだね、よく頑張ったね!」と笑顔で送り出すことが大切です。試験終了後は、本人が結果について話したくなさそうなら「お疲れさま」とねぎらえば十分です。

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