
河合塾 鹿子島 康二 先生
現代文を中心に国語科全般の授業を担当。モットーは「語学の才能=努力」で、わかりやすい指導は定評がある。『螢雪時代』特集記事のほか、「大学受験パスナビ」では入試問題の解説を執筆。
国語の学力は階段を上るようについてくるので、伸びる前には「踊り場」のような準備期間が存在する。このとき往々にして停滞を感じるのである。そして、停滞の長さは学習スタイルとの関係が大きく、解きっぱなしで点検や知識の積み上げ、弱点の分析をしていないと、さらに長引くものである。こうした停滞を避けることで、より着実に効率よく学力を伸ばせる。後半期では、合理的で停滞感のない勉強法を取り入れよう。


過去問演習はあくまでも練習なので、量や速度、正解率だけに気をとられたりせず、演習中に体験した学習の不徹底を修正し、知識を定着させることを重要視しよう。これが演習を最も有効に役立てる方法だ。そこで、すすめたいのが、ミスをノートに書き出し、理由を分析して、その場で改善することだ。
過去問演習と確認を1セットにして学習しよう。演習後には、1問10~20分かけて解説を熟読し、現代文では論理の誤読や吟味点の見落とし、古文・漢文であれば知識の不備をチェックする。ミスは逐一ノートに書き出し、これまで用いてきた基礎問題集で復習すること。間違えた項目は、その場で確認して修正しておこう。

過去の自分の得点(失点)パターンを把握しよう。自分の不得意と志望校の出題傾向のミスマッチを放置したままだと、得点は伸びない。逆に、出題される設問タイプや出題領域における弱点を集中的に対策すれば、伸び幅は大きくなる。
まず、これまで解いた問題で得点傾向を分析。現代文は趣旨一致問題など設問タイプ別に、古文・漢文はこれに加えて文法・語彙・ジャンルなど特定の失点の偏りを精査する。そして、志望校の出題傾向と突き合わせ、ミスマッチの箇所を集中的に対策しよう。

過去問演習では演習の速度や得点率に気をとられがちだが、「仮に点はとれても実力の伴わない状態」に気がつかないとかえって危険であり、想定外の問題が出題されると大きな失点につながる。応用の幅の広い底堅い学力養成が肝要だ。
国公立大2次試験の受験者以外も、復習として現代文の全文要約や古文・漢文の現代語訳に取り組みたい。現代語訳は、難読部や和歌・漢詩など数行でかまわない。後半期に負担は大きいかもしれないが、学力向上に直結するという点では効率的な学習方法と言える。

共通テストは現行課程になって日が浅く、実用的文章については十分な演習量が確保できない。最も効率的な対策は、模試の解説を熟読し、設問の狙いと攻略法を正しくつかんでおくことだ。他の4つの大問については、もちろん過去問演習が有効だ。

国語で求められる知識事項は、文法や語彙のほか、和歌や漢詩の修辞と著名な作品、古典・近代文学史など幅広く、また大学ごとに偏りがある。各分野を別々の参考書で学ぶのは無駄が多いので、国語便覧を活用するのが一番効率的だ。

「継続こそ力なり」とは、どの科目についても言えるが、特に学び始めの語学においては重要な戒めの言葉となる。そして、受験生にとっての漢文の語彙や句法、修辞の知識は、その最たるものだろう。1か月も何も学習せずに放置すれば学力は元の状態に戻ってしまう。週間スケジュール表を作り、各分野を少なくとも週に1回は演習し、知識の定着度を確認するように調整しよう。バランスよく各分野に取り組み、効率よく実力を鍛えたい。
現代文だけでなくどの分野でも、国語の読解力の核心は文章の論理を類推する力である。傍線部の語句と文法の知識が完全でも、前後の脈絡を理解・活用できなければ正解はおぼつかない。表現中に飛躍や省略が多く含まれる和歌や漢詩などでは特に苦労することになる。知識を固めてから長文読解に進みたい気持ちはわかるが、2学期は知識の確認と長文読解演習を必ず並行させ、解答に前後の文脈を反映できるように学習を進めよう。
記述力には本文読解力と作文力の2つの側面があり、答案の中に文章の展開を反映させる構成力や、本文の言葉を置換する表現力などは書くことで初めて培われる。見て「なるほど、書けそうだ」と勝手に納得して学習を完了させてはいけない。各設問の答案を実際に書くことが大事。そして、信頼する先生に採点してもらおう。記述の基礎力を底上げするには、復習として現代文の要約や古文・漢文の部分訳などを励行するのも効果的だ。
冒頭に国語の学力向上の過程には停滞期があり、これが国語学習の苦しさの理由になっていると述べた。しかし、停滞中でも学力は伸び続けている。間違いなく習得した言葉の量だけ国語の学力は伸びており、いずれは志望校の合格レベルに届くもの。ただし、学力が得点として結実するのが試験に間に合うかどうかが問題なのである。受験生にとって心が折れそうになる期間だが、効率的な勉強を持続させて学力を伸ばしてほしい。
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