元・代々木ゼミナール講師 中川 雅夫 先生
代々木ゼミナール講師として42年間指導し、勇退。物理の問題を考える楽しさを伝えるために、SAPIX-YOZEMI GROUPのほか東京都・巣鴨高等学校でも指導を継続中。7月に『物理上級問題精講』(旺文社)が著書に加わった。
難関大であっても入試で重要なことは、他の受験生ができる問題で確実に得点することだ。過去問を見ると難問が気になるものの、標準的な問題で確実に得点すれば合格に必要な点に近づくのは明白である。標準的な問題をミスなく解ければ、難関大合格にあと一歩まで達する。しかし、標準問題を完璧にすることは容易ではない。そこで、苦手分野ではまず頻出問題や典型問題から攻略しよう。そのうえで難問対策に取りかかればいい。


模試の結果を見て、「計算ミスをしなければ、もっと点がとれた…」と悔しがる人は多い。また、授業中の演習を見ても、計算に手間取って答えにたどり着けない人が目につく。高得点の決め手は計算力にあるのだ。問題を読んで必要な式を立て、素早く計算を行い、一気に答えが出せれば、当然ながら得点は伸びる。
計算力を鍛えるには「練習量」が重要である。短期集中型でも計算力はアップさせられるが、それでは計算力を維持することはできない。そこで、現実的な方法として、15分や30分など短時間でよいので、毎日繰り返すことをすすめる。まず1か月続けると、計算が楽になり、ミスも大きく減って効果が実感できる。

入試問題の多くは、十分に問題演習をしていれば、解いたことのある問題の類題として処理できる。難関大でも、標準問題の出来・不出来が合格に直結する。標準レベルの問題は典型的な考え方や解法があるので、確実な得点源にしたい。
標準問題の典型的な考え方や解法は、「真似ること」から始めて身につけることが効率的である。自分が理解しやすいと思う解法が載っている問題集や参考書を選んで、「なぜ?」と考えながら解法を真似して、最終的には自力で答案を書き上げるようにしよう。

難関大に合格するには、標準問題に加え、やや難しい問題での得点も必要。ここで重要なのが「考えて解く力」だ。物理のセンスが試されるので、「物理的に考えるにはどうしたらよいか?」「何に着目すればよいか?」などを意識しよう。
まずは、設定文や設問文から「物理的ポイントは何か?」を考えながら解いてみよう。問題を解き終わり、答え合わせをしたら、もう一度問題全体を読み直し「何を考えさせたいのか?」などをチェックし、出題者の意図と問題の「流れ」を考察すると効果的だ。

「難しい問題はなかなか解けないし、解けても時間がかかりすぎるので非効率的」と考え、解答を覚えてしまおうとする人も多い。しかし、丸暗記しただけでは、同じ問題が出ない限り解く力にはならず、苦労の割には報われない。自分流でもよいので、理解しようとすることが重要なのである。
問題演習を始めたが、思うように解けない。面白くないし、難行苦行だという受験生も少なくない。相談を受けて話してみると、実力に比べて難しすぎる問題に取り組んでいる場合が多い。まず、少し簡単と思える問題で「解く作業」に慣れよう。簡単な作業なら、つらさもやわらぎ、解けた達成感で面白さも徐々にわかってくる。
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