代々木ゼミナール 田村 誠 先生
地理入試での高得点獲得をサポートして40年。また、著書も多数。「地理は科学だ!」をモットーに、知識偏重型の“前近代的地理”を排し、地理現象を論理的に理解していく指導を心がけている。
「自然環境と自然災害」「産業」「人口・都市」「世界地誌」が大学入試の4大頻出分野だ。後半戦では、この中で対策が遅れている分野にフォーカスした学習を行って、効率よく得点力アップを図りたい。なお、共通テスト対策に関しては、この4大頻出分野に加え、必出の「地域調査」についても進捗状況を確認しておこう。また、国公立大や一部難関私立大の個別試験対策では、記述説明答案の作成練習も怠らないようにしたい。


「自然環境」の「地形と気候」は、受験生の多くが対策不足のまま本番を迎えており、得点率が特に低い。この分野は、共通テスト・私立大・国公立大のすべての試験で必出なので、きちんと対策しておけば大きな得点アップにつながる。なお、地形用語やケッペンの気候区分などは、暗記だけで済ませてはいけない。
実際の入試では、地形・気候用語やケッペンの気候区分などを暗記しただけで答えられる問題はほとんど出ない。問題演習を通じて、「さまざまな地形がどのようにして形成されるのか?」「世界各地の気候の特色はどのようにして形成されるのか?」などのメカニズムを理解し、得点するための土台を構築することが大切だ。

「都市」も共通テスト・私立大・国公立大のすべてで必出であり、しかも大問単位で出題されるケースが少なくない。しかし、インナーシティ問題などの用語を暗記するだけでは、高得点獲得は難しい。内容の理解が求められるからだ。
スプロール現象、インナーシティ問題といった都市地理用語は丸暗記するのではなく、理解することが大事。知識のインプットに加えて、問題演習を通じて、「さまざまな都市地理現象がどのようにして発生するのか?」などの理論的側面を正確に理解してほしい。

例えば「アジア地誌」などは、中国を念頭に置いて学習するだろう。だが、実際の入試問題では、日本地理関連の設問が約4分の1を占める。したがって、この分野を攻略しておくことが、間違いなく大幅な得点アップにつながるはずだ。
日本地理は、中学社会で重点的に学習したはずである。したがって、中学校の教科書を読み直して、その内容を再確認するところから始めよう。さらに、並行して実際の入試問題を演習し、知識の定着を図るとよい。比較的短時間で効率よく得点力を高められる。

入試問題に頻出分野がある一方、まれにしか出題されない分野もある。つまり、効率よく得点力を伸ばしたいなら、まんべんなく学習するのではなく、メリハリをつけることが大切だ。また、知識を完全にインプットしてから問題演習に取り組むのではなく、問題演習をしながら知識の整理も同時に行いたい。
地理の学習範囲は「自然環境」「産業・貿易」「人口・都市」「人種・民族・国家」「世界地誌」と幅広いので、興味のもてない分野があるのは当然だ。そこで、入試の頻出分野から興味のある分野を優先的に選択しながら取り組んでいこう。そして、地理の楽しさが理論的な推理と考察にあることに、いち早く気づいてほしい。
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