
理学部 宇宙物理・気象学科の学びとは?惑星の大気や気象から宇宙空間まで、広大な研究領域をカバー。国内最大級の口径1.3mの望遠鏡を備えた神山天文台での観測はもちろん、理論からコンピュータによる数値計算、データ解析、装置まで横断的に経験しながら、宇宙の謎や地球・惑星を取り巻く謎の解明に挑む人材を育成する。
2025年、神山天文台は、観測史上3例目となる恒星間天体「3I/ATLAS(スリーアイ アトラス)」の観測に成功した。太陽系外から飛来した彗星だ。その光を分析したところ、太陽系の彗星よりアンモニアに由来する成分が少ないことがわかったという。これは、謎を解明する手がかりになり得ると、理学部准教授の西道啓博先生は目を輝かせる。
「太陽系以外の彗星の組成が、太陽系のものと違うということは、できる過程にも違いがあるのではないかということ。ひるがえって、太陽系の特性や形成にもアプローチできるのではないかと注目されています」
また、同学科では2020年、「ダストリング」を検出。これは、ブラックホールを取り巻くリング状の塵で、長年予測されてきたリング状構造を、超高解像度の近赤外線観測で世界で初めて明瞭に捉えた。西道先生によると、「宇宙に存在する膨大な数の銀河の多くは、中心部に巨大なブラックホールを抱えていると考えられています。ブラックホール周辺の構造は、ブラックホールと銀河がどのように関わり合って進化してきたかを探る手がかりになります」

キャンパスのどこからでも見える神山天文台は、大学のシンボル
神山天文台での実習は3年次からだが、研究の土台となる数学や物理学の基礎を修得する1~2年次の講義も、宇宙研究に携わる教員が担当。少人数の授業で、たとえば「数学のこの知識はこの天体現象に応用できる」など、宇宙に関連づけながら学べる。また、低年次から宇宙に触れられる機会として、地球科学や天文学の研究分野を俯瞰する授業も。3年次に気象系か宇宙系かを選んで専門科目を受講し、4年次から研究の領域・手法ともに多彩な研究室に配属される。
「宇宙の謎を解くためなら“何でもやる”というスタンスで、機械学習※やデータ解析にプログラミング、望遠鏡に搭載する装置などのものづくりに取り組んでいる先生も多くいます。研究室としてこれほどの多様性を備えているからこそ、どの分野にも進める基礎力を1~2年次に身につけられるカリキュラムになっています」
また、実は1年次でも望遠鏡に触れる体験ができると西道先生が教えてくれた。
※機械学習:コンピュータに大量のデータを与えて、そこに含まれるパターンや規則性をコンピュータ自身に学習させ、未知のデータに対して予測や判断ができるようにする技術のこと。
「神山天文台で一般の方向けの天体観望会が行われています。その運営サポートに当たる学生組織『神山天文台サポートチーム』には、学科や学年問わず参加できますよ」
さらに、観測に留まらない幅広い学びが実現するという。
「このほか、すばる望遠鏡による宇宙の三次元地図と大規模宇宙シミュレーションを組み合わせ、宇宙の成り立ちや進化を探る「宇宙論」の研究も進められています」



「宇宙観測·解析実習」では、テーマに基づいて自分で設定した観測の方針に則り、実際に観測を実行。画像からノイズを除去したうえで解析していく
京都産業大学 理学部 宇宙物理·気象学科4年 Y.Mさん
私立大学最大級を誇る望遠鏡での最先端の研究に、学生でも関われることから、京都産業大学を選びました。3年次の「宇宙観測・解析実習」でモニターに映し出された星団を見た瞬間は「宇宙に少し近づけた」と感動。データ解析では戸惑う部分もありましたが、自分で取得した観測データをもとに宇宙をさらに深く知るおもしろさを実感しました。
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