
理学部 物理・宇宙学科の学びとは?素粒子や原子核、原子・分子が織りなす現象から、宇宙で発生している現象まで、現代物理学の中核領域を対象に研究。私立大学では稀有な「理論物理学」「実験物理学」「宇宙観測」などについて、最先端の研究を推進する教員のもとで専門的に深く学び、多様なプロジェクトに挑戦する。
九州工業大学、関西学院大学、東京都市大学らの研究チームが開発した観測用の超小型衛星「VERTECS(ヴァーテックス)」※が、2026年6月、種子島宇宙センターからH3ロケット6号機(30形態試験機)に搭載されて打ち上げられ、運用地上局との通信に成功した。この衛星で、130億年以上前に宇宙に放たれた、もっとも古い星々からの光「宇宙背景放射」を観測的に探索し、宇宙の始まりや星々が生まれ、進化してきた歴史の解明に挑む。理学部教授の松浦 周二先生は言う。
「『VERTECS』の望遠鏡は一眼レフカメラのレンズほどの大きさしかありませんが、それでも、宇宙空間では大気の影響を受けないため、地球上の望遠鏡よりクリアな視界が確保できます。さらに、私が20年来構想してきた、地球からもっと離れた宇宙空間に望遠鏡を飛ばす『惑星間宇宙望遠鏡』なら、これまでとは桁違いの宇宙の姿が見えるはず。これを夢物語で終わらせないために、自分自身でも技術開発を進めています」
また、筑波大学を中心に計画が進む「南極テラヘルツ望遠鏡計画」に参画するなど、さまざまな研究機関や企業と協働しながら最先端の宇宙研究に携わっている。
※VERTECS:Visible Extragalactic background RadiaTion Exploration by CubeSat。参画機関は、九州工業大学・JAXA宇宙科学研究所(ISAS)・関西学院大学・東京都市大学・金沢大学・東京科学大学・福井大学・株式会社コシナ・セーレン株式会社・株式会社イメージ・テック(以上JAXA-SMASH 参画機関)、國立清華大学・國立中興大学(ともに台湾/国際共同研究機関)

理学部 物理·宇宙学科のある神戸三田キャンパスには、 2022年に反射望遠鏡が設置された

「VERTECS」を組み立てている様子。厚さ10cmで、B4サイズよりひと回り小さくした程度の大きさ

理学部は物理・宇宙学科の他に、↑化学科と↓数理科学科も備えている

「X線、可視光、赤外線、電波といったあらゆる電磁波波長の観測天文学と、惑星探査やそのための機器開発、さらに素粒子宇宙や重力理論などの理論研究と、実に幅広い学問領域をカバーしています」
松浦先生がこう語る物理・宇宙学科の学びは、まず1年次の導入科目「宇宙物理学入門」から。研究室配属は4年次だが、教員と学生の距離が近く、自主的に研究室を訪れる2・3年生も多い。また、学部の垣根を越えて、興味のある他学部の授業も履修できる。
「多様な人材がいてこそ宇宙研究が発展すると思うので、物理だけでなく、文系も含めたさまざまな分野に触れてほしいですね」
研究室によっては学部生もアメリカに行って実際の宇宙研究プロジェクトに参加したり、大学院では連携大学院協定によってJAXA所属の研究者に指導を受けることも可能。研究を通じて、チームの仲間と協働する力や、問題を見出し解決する力を養うことができる。
また、宇宙教育を通して子どもたちの好奇心や想像力の育成を目指す学生プロジェクト「UNIVERS&(ユニバーサンド)」では、宇宙について学んだ学生が宇宙の魅力を伝える活動を行っている。
関西学院大学 理学部 物理・宇宙学科4年 A.Yさん
理論研究だけでなくさまざまな分野の研究室がそろっていて、幅広く学びながら自分がやりたい研究を見つけられる環境だと思い、物理・宇宙学科を志望しました。超小型衛星「VERTECS」の運用やデータ解析を経験し、入学前は遠く離れた未知の世界だった宇宙が、自分たちの手で観測し、理解を深めていける研究対象だと実感しています。

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