グラフ3で全国6地区ごとの志願動向を見ると、各地区でまんべんなく増加していることがわかる。
このうち中国・四国は、前年の反動もあると見られる。前年の難化傾向にもかかわらずチャレンジ志向が続き、国公立大の後期縮小もあって、首都圏や京阪神の難関~準難関校への併願が増加。さらに共テの難化を受け、大都市圏以外の受験生が各地区の国公立大から中堅上位~中堅私立大に志望校を変更したことが、各地区の増加率を押し上げた模様だ。

次に、グラフ4で学部系統別の志願状況を見てみよう。23年まで「文低理高」の傾向が続いていたが、24年以降は文系人気が復活。26年もその傾向は続き、法、経済・経営・商、文・教育・教養、国際・国際関係・外国語の大幅増など、文系が軒並み増加。就職事情の好転や受験料の併願割引拡大の影響などが要因と見られる。
一方、大幅増の農・水畜産・獣医をはじめとする理系も概ね増加傾向のため、全体的に高水準の「文理均衡」となった。その中で、医が微増にとどまったのが注目される。

ここから、各大学の志願状況を見ていこう。表1では、志願者数(大学合計:4月中旬現在)の多い順に、上位20大学を示した。志願者数の合計は、全体(220大学:約331万人)の約52%と半数以上を占める。
近畿大(11%増)は、昨年の2位から2年ぶりに志願者数トップに返り咲いた。看護学部の増設や、共テ利用で新たな方式を実施したことなどが要因と見られる。
【首都圏】表1以外の大学も含め、難関~準難関校では、学習院大(11%増)・国際基督教大(13%増)・上智大(10%増)・東京理科大(13%増)・立教大(12%増)が大幅増、青山学院大(7%増)・慶應義塾大(5%増)・法政大(6%増)も増加。東京理科大は創域情報学部の増設や、共テ利用A方式を4タイプに分割したことが人気材料になったと見られる。
一方、中央大(1%減)と早稲田大(2%減)は微減。明治大はほぼ前年並みだった。
また、いわゆる「日東駒専」は専修大(11%増)・日本大(21%増)が大幅増、東洋大(5%増)・駒澤大(9%増)も増加した。
【京阪神】いわゆる「関関同立」のうち、関西大(9%増)と同志社大(5%増)が増加、立命館大(2%増)と関西学院大(2%増)は微増にとどまった。
また、いわゆる「産近甲龍」では、京都産業大(29%増)・龍谷大(10%増)・近畿大(11%増)が大幅増。一方、甲南大(2%減)は微減となった。龍谷大は、国際以外の9学部の一般中期で高得点2科目方式(文系型、理系型)を新規実施したことなどが人気材料になったと見られる。

表2では、志願者1,000人以上で、構成する全学部が志願者数を発表した大学について、増加率が高い順に上位20大学を示した(同指数が複数あるため掲載は21大学)。
前年の志願者減や倍率ダウンの反動に加えて、入試の変更や学部・学科増設などが複合的に作用した結果と言える。たとえば増加率トップの大阪学院大は、入試の新方式、受験料割引制度や英語外部検定利用の導入などが、志願者が約3.7倍に膨れ上がる要因になった。4位の摂南大も、入試の新方式や受験料割引制度、前年の志願者大幅減の反動など複数の要因で志願者が約2.3倍になった。
注目したいのが、前述の「併願割引制度」導入だ。表2では愛知大・京都先端科学大・大阪学院大・摂南大が該当し、桜美林大も25年に導入した受験料定額制が人気要因になっている。受験生の経済的負担軽減になるため、Web出願もあって出願へのハードルが下がり、爆発的な増加の要因となる。
また、成蹊大・神奈川大・関西外国語大・帝塚山大は、英語外部検定利用の導入・拡大も大幅増の要因となっている。

ここまで紹介した大学以外について、各地区の志願状況を見てみよう。
中堅上位校では、成蹊大(38%増)・成城大(35%増)の大幅増が注目される。準難関校に次ぐクラスの目標校として人気を集めた模様。獨協大(4%増)も増加したが、前年の反動か、武蔵大(18%減)が大幅減、國學院大(3%減)も減少した。
理系中心の大学では、芝浦工業大(38%増)・東京農業大(11%増)・工学院大(17%増)が大幅増。東京都市大(9%増)・東京電機大(4%増)も増加した。
中堅校では、亜細亜大(29%増)・国士舘大(21%増)・拓殖大(25%増)・東海大(23%増)・東京経済大(22%増)・神奈川大(44%増)が大幅増。大東文化大(4%増)・玉川大(8%増)・立正大(5%増)も増加した。受験料定額制や、「学力試験型」年内入試の不合格者の再チャレンジが志願者数を押し上げたと見られる。女子大では、大妻女子大(14%増)・実践女子大(24%増)・昭和女子大(55%増)・津田塾大(11%増)・東京家政大(92%増)・日本女子大(32%増)が大幅増。前年の志願者減の反動も影響したと見られる。一方、東京女子大(2%減)は微減だった。
女子大では、京都女子大(13%増)が大幅増、神戸女学院大(4%増)・武庫川女子大(9%増)も増加したが、同志社女子大(1%増)は微増にとどまった。
中堅校では、京都橘大(34%増)・追手門学院大(35%増)・大阪工業大(14%増)・関西外国語大(55%増)・桃山学院大(43%増)・大和大(22%増)が大幅増、神戸学院大(9%増)も増加した。一方、大阪産業大(21%減)は大幅減、佛教大(4%減)・大阪経済大(1%減)も減少した。
国公立大との併願が多い各地域の主要大学のうち、北海学園大(28%増)・愛知大(41%増)・中京大(19%増)・名城大(26%増)・岡山理科大(11%増)・広島修道大(16%増)・九州産業大(21%増)が大幅増。南山大(4%増)も増加し、東海地区の地元志向が強く表れた。福岡大(8%増)も増加したが、東北学院大(1%増)・西南学院大(1%増)は微増にとどまった。一方、熊本学園大(12%減)は大幅減となった。
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