代々木ゼミナール 中川 雅夫 先生
丁寧で明快な講義と個別の質問対応などで面倒見のよさは定評がある。『物理の良問問題集』『物理 標準問題精講』『物理 思考力問題精講』などの著者であり、『全国大学入試問題正解 物理』(いずれも旺文社)の解答・校閲者である。


演習科目である物理の学習では、解く問題のレベルを段階的に上げて理解を深めていくことが大切である。問題集のレベルの上げ方、すなわち何段階で上げるかは個人差が大きいので、自分に合った計画を立てることが重要だが、最初は問題を解く作業に慣れるために簡単な問題集から始める点は共通している。「慣れること」が主目的なので、あまり時間をかけずにやり終えられる、薄くて簡単なものを選ぶとよい。ただし、「しっかりした基礎力をつけたい」「この段階で深く理解したい」など、より意欲的に取り組みたい場合は、分厚く網羅性の高いものを選んでもよい。
「これならできる!」という
自信とやる気の湧くものを選ぶ

演習する問題のレベルを段階的に上げていけば、問題を解く力は確実についてくる。公式活用レベルの基本問題の演習が終わったら、状況設定があまり複雑ではない、設問数が5程度の標準問題に取り組もう。学校の授業での解説や、学校で配付されるような基本問題集の例題の解き方を参考にして、解く練習を重ねること。このレベルの問題になると、設問に沿って物理的な考え方の流れがあるので、演習に慣れてくると自分でも自然に考えられるようになる。物理の考え方に馴染むために、なるべく早く全分野の問題演習に取り組もう。ただし、原子分野は後回しにしてもよい。
設問数5程度の標準問題から始め、
設問の流れに沿って解くことに慣れる

上で紹介した「基礎力を養成したうえで、演習する問題のレベルを上げていって解く力を鍛える」という正攻法だけでは、本番までに志望校に合格するレベルに達することは難しい、と心配する受験生が例年少なくない。そこで、考え方や解き方について丁寧に説明している参考書や問題集を使うことをおすすめする。もちろん初めは解法を真似して覚えることから始めればよい。しかし、最終的な目標は自分で考えて解けるようになることであるから、「なぜそうするのか?」「どういう時にそう考えるのか?」など、考え方・解き方の根拠を意識しながら演習しよう。
「なぜ?」と考えながら解法を追い、
応用して考える力を育てる


問題を解く基本的な力が身についたら、実戦訓練に進む。その際、なるべく早い段階で志望校の過去問に1年分でもよいので取り組み、目標レベルを把握すること。そのうえで、志望校の問題が典型問題だけでなく思考力を試すものであれば、状況設定文の長い問題に取り組もう。ただし、苦手意識が残っている場合は、共通テスト対策をまず完璧に。

今までの学習の仕上げの時期である。身につけた力を最大限に発揮するために、志望校の過去問や志望校と同レベルの問題の演習を行う。その際、グラフや論述問題の対策として自力でしっかり答案を書いてみよう。弱点が見つかったら、標準問題集に戻って補強すること。また、教科書を通して読むことで、知識面を中心にヌケがないか確認するとよい。
「今の実力では難しすぎる問題集を選んでいる場合」「分厚い問題集を選んでいる場合」「欲張った計画を立てている場合」などは、なかなか思い通りに進まない。まずは薄くて簡単な問題集を仕上げてみるなど、できることから始めて終わらせてみよう。その後は、当初の計画に戻っても、別の計画を立ててもよい。
アドバイス
問題集のハードルを下げ、まずその1冊を終える
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