河合塾 上住 友起 先生
東京大・京都大などの志望者が受講する世界史論述から共通テスト・私立大の講座までを担当し、大きな支持を得る。『一問一答 世界史 ターゲット4000』(旺文社)など著書多数。近年は実業家としても注目される。


共通テストも国公立大の論述問題も、概ね教科書に準拠している。特に国公立大の論述で必要なのは、歴史用語を書き連ねることでなく、設問が要求しているポイントを教科書の範囲内の知識を駆使して制限字数内に収めることである。つまり、必要なのは微細な知識でなく、あくまで教科書レベルの基礎的な知識なのだ。そこで、1学期から夏休みまでは古代から現代までひと通り教科書を読破して、各国の流れをインプットしよう。その際、政治史ばかり偏重せず、社会経済や文化にも注目すること。共通テストも論述も、政治史のみで解答できる問題は少ないからだ。
政治史だけでなく社会経済・文化史にも
注目して、各国の流れをとらえる

世界史では、単に歴史の流れを把握するだけの学習では高得点を獲得できない。例えば、東京大の第1問では同時代の世界を俯瞰してその絡みについて論述させたり、複数の地域を比較してその相違などを述べさせている。また、大阪大では史料や図版から多方面の歴史的知識を問う考察問題も出題される。このような傾向はマーク式の共通テストであっても同様である。したがって、資料集を用いて同時代の世界を俯瞰しつつ、“ヒト・モノ・カネ”の動きをイメージする学習を心がけよう。同時に、データやグラフにも注目して、歴史的な動きと数値の関係も考察すること。
世界全体の“ヒト・モノ・カネ”の動きと、
データやグラフを関連づけて考える

難関私立大では空所補充や下線部対応などの形式の知識問題が依然として多い。また、国公立大でも京都大では第2・4問で100点満点中60点が、東京大では3大問のうち第3問が一問一答形式で10題ほど、同様の知識問題が出題されている。したがって、1学期からアウトプットにも重点を置いた学習が欠かせない。そこで、一問一答集などを利用して、基礎的な歴史用語に関しては全時代・全分野ともスラスラ出てくるようにトレーニングしよう。その際、中国史などは正確に漢字で書けるようにしておくこと。論述対策は基礎知識を万全にしてからのほうが効率的だ。
一問一答集を利用したアウトプット学習に
通年で取り組み、基礎知識を万全に固める


志望校の過去問や問題集で実戦的な演習を行うのと並行して、全時代・全分野の総復習に取り組もう。共通テスト対策は、過去問が少ない分、市販の共通テスト用問題集なども利用して演習量をできるだけ多く確保したい。問題演習を進める際に重要となるのが「間違いチェックノート」の作成で、苦手・手薄な箇所を発見して補強するのに役立つ。

用語集は1学期から必ず手元に置いて常に用語確認に用いたいアイテムだが、直前期はさらに重要となる。というのも、国公立大の1行説明問題や、難関私立大の正誤判定問題などで効力を発揮するからだ。問題文と用語集の説明文の両方に目を通すことで、問題の狙いが明確になる。また、「間違いチェックノート」で苦手分野を徹底的に攻略しよう。
「一問一答集を使い始めたが、なかなか覚えられない」という声をよく聞く。これは未知の箇所をいきなり赤シートで隠してトライするせいだろう。最初から覚えたい箇所を隠すのでなく、「設問を読む→解答を見る」を3~4周繰り返し、ある程度覚えてから、赤シートで隠して確認するトレーニングに移るとよい。
アドバイス
まず素読みして覚えてから、赤シートで隠して確認する

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