学校推薦型選抜・総合型選抜の概要が理解できたら、次は実践編。出願書類の作成に挑戦しよう。そのためには、自己分析が必要不可欠。どのように自己分析を進めればいいのか、具体的な手順やコツ、注意点などについて、河合塾の専門家に教えていただく。
1997年河合塾に入塾。西日本地区の校舎を担当し、現役生・高卒生の生徒指導に従事。その後、講師マネジメント部門、塾生指導の企画部門を経て、2017年より現職のカリキュラム企画部門へ。塾生の学力向上と志望校合格のための教育サービスの開発にあたっている。
「自己分析」と言われても、何をどの程度やればいいのか、何から始めたらいいのか、戸惑う受験生が多いかもしれない。杉田部長は「簡単に言えば、自己分析とは『自分が過去にやってきたこと』と『自分が将来やりたいこと』です。これを分析することが、学校推薦型選抜・総合型選抜対策の第一歩です」と説明する。ただし、受験を検討している大学の分析も同時に進める必要があるという。自己分析と大学分析は、互いに切り離せない重要なものであるためだ。
「自分がどんな人間で、将来何をやりたいか」を考えるのが自己分析。「その大学ではどんなことができて、どんな人材が求められているか」を調べて理解するのが大学分析。両者が重なる部分が、志望動機になる。
※イメージ図は取材をもとに編集部で制作しました。
自己分析について説明する前に、大学分析の意義を確認しよう。杉田部長によると、一般選抜と学校推薦型選抜・総合型選抜との違いの1つは、この大学分析だという。
一般選抜の場合、法学部や工学部、医学部など将来の進路に関わる特定の学問分野が先にあり、その学部がある大学を受験先として検討するという順序が多い。
しかし、学校推薦型選抜・総合型選抜では、大学の教育内容に共感し、ピンポイントで大学を決める傾向が強いという。そのため、大学分析が先にあるケースが多い。
杉田部長は「その大学の求める人材と自分自身がマッチしているかは、自己分析に加え、大学のアドミッション・ポリシーなどを分析することでわかります」と解説する。
自己分析と大学分析は、学校推薦型選抜・総合型選抜の受験生だけでなく、一般選抜の受験生にとっても有意義なものだ。なぜならば、自己分析と大学分析に真剣に取り組むことで、志望理由が明確になり、その大学に合格したいというモチベーションが高まるからだ。仮に学校推薦型選抜・総合型選抜に不合格だったとしても、熱量を維持したまま一般選抜の学力試験に臨めるだろう。
※イメージ図は取材をもとに編集部で制作しました。
杉田部長は「自己分析と大学分析にしっかり取り組んだ人は、その大学で学ぶ意味を突き詰めているので、大学に入学した後も高い意欲で勉強できるでしょう。また、受験生時点でそれまでの人生の振り返りを入念にやっているので、就職活動などにも役立ちますし、自分に自信もつきます」と語る。
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