学校推薦型・総合型選抜では、必須の志望理由書に加えて、小論文や面接を課すケースが多い。
これらの具体的な対策について、スケジュールと合わせて解説する。
志望理由書では、「①自分がやりたいこと」と「②大学(志望校)での学び」がいかにつながっているかが重要になります。①を深めるために大事なのが自己理解です。早稲田塾では塾生全員に「自分史」を書いてもらっています。幼少期や小・中学生時代を振り返る中でさまざまな気づきがあり、大学で学びたいこととのつながりを見いだせます。保護者や先生、友だちの手も借りながら、自分自身を掘り下げていきましょう。また、②を深めるために、大学が公表している3つのポリシー※や大学のホームページなどを読み込み、「自分がやりたいことができる場である」と主張するための根拠を見つけていきましょう。
①と②がある程度言語化できたら、①と②のつながりを意識しながら志望理由書を書いてみます。書いたものは、保護者や先生、友だちなど他者に読んでもらい、フィードバックを受けましょう。伝えたいことが正しく伝わっているか、伝わっていない場合はどう修正すればいいのかを考えて、「自分らしさ=オリジナリティ」を出すことを意識します。「書く→フィードバックをもらう→ブラッシュアップする…」というサイクルを5回ほど回し、練り上げていくといいでしょう。
※アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー。

出願時には、高校内外での活動実績や取得した資格などを記した「活動報告書」のほか、学びの履歴を記した「ポートフォリオ」と呼ばれる書類を提出するケースもあります。活動報告書に記すものは、華々しい実績や資格である必要はありません。志望理由書に書いた内容に通じることであれば、先生に相談したうえで、些細なことでも記入すると良いでしょう。また、ポートフォリオに関しては、大学によっては高校で取り組んだ探究学習のレポートなどの成果物を提出できるケースもあります。この場合も、志望理由書に書いた内容と関連するものを提出するようにしましょう。
小論文には、大別して課題論述型、文章読解型、資料分析型の3つのタイプ(下を参照)があります。過去問は大学のホームページで公開されていることが多いので、志望校の出題内容・形式を確認しましょう。対策としては、参考書などを使って構成の「型」を習得しつつ、時事テーマ系の書籍や学部系統のテーマに合った新書などを読んで知識を補強していくのが王道。新聞の社説の要約も有効です。過去問にも取り組み、書いたものは必ず先生などに添削してもらいましょう(多年度の過去問は入手しにくいので、1年分に対して2回は書きましょう)。小論文では自分の意見や視点を論理的に伝える力が求められるので、「自分ならどう考えるか」を常に意識して対策に臨みましょう。

面接では、志望理由書に書いた内容について深掘りされたり、違う角度から切り込まれたり、時には雑談のような話題を振られたりすることもあります。こうした問いに対して適切に応じるためには、志望理由書を真の意味で自分のものにしておくことが大切です。自分自身のこと、これまで自分がやってきたこと、これからやりたいことを自分の言葉で語れるよう、腹落ちするまで深めておきましょう。多様な視点を得るためにも、志望理由書をいろいろな人に読んでもらい、コメントをもらうのもおすすめです。なお、面接試験で口頭試問があるケースには注意が必要です。学科試験的な科目の知識が問われるほか、志望学部・学科に関連する専門的な知識を問われることもあるので、自分が研究したいと考えているテーマについて調べるなどして理解を深めておくといいでしょう。

高校3年生の1学期のこの時期(5月半ば~6月)から学校推薦型・総合型選抜の対策をスタートする人は、まずは志望理由書の作成から。「過去・現在・未来」の3つのフェーズで自己を深掘りしつつ志望校についての理解を深め、まずは6月に1回、お試しで書いてみましょう。そして、7月の初旬にもう一段精度を高めたものを書き、他者からフィードバックをもらいます。さらに、7月末(期末テスト後)に1回、8月に1回、9月に1回とブラッシュアップしていけば、合計5回書くことになります。この頃にはかなり完成度の高いものができあがっているはずです。
6~9月は、「志望理由書に取り組む週」と「小論文対策の週」に分けるのがおすすめ。小論文対策の週には、参考書などを使った学習や要約に取り組み、並行して背景知識のインプットにも励みましょう。
面接対策については、9月頃(総合型は出願時期)から本格的に着手します。遅いと感じるかもしれませんが、面接では志望理由書の内容を深掘りするような質問がされるため、志望理由書の作成プロセスがそのまま面接対策にもなります。志望理由書に書いた内容や、自分の興味・関心のあるテーマについては、何を尋ねられても自分の言葉で答えられるよう、腹落ちするまで反芻しましょう。

志望順位などにもよりますが、それぞれの選抜の受験対策に充てる時間の比率は「学校推薦型・総合型選抜:一般選抜=2:5」くらいを目安にするといいでしょう。平日は一般選抜対策、週末は学校推薦型・総合型選抜対策などと分けて計画を立てるのがおすすめです。学校推薦型・総合型選抜が第1志望だからといってその対策に振り切りすぎると、一般選抜を受けることになった場合に相当厳しくなります。学校推薦型・総合型選抜であろうとも大学では高校卒業レベルの学力が必須ですので、まずは共通テストレベルの問題が解けるようコンスタントに勉強を続けることが大切です。
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