“育成力”で大学を選ぶため、まずは大学にどんな成長の機会があるかを知ろう。授業や学習も高校時代とは大きく変わるし、学習以外にも成長できるチャンスはたくさんある。この記事で紹介する代表的な例以外にも数多くの成長機会があり、各大学が独自に提供しているものもあるので、こうした視点でも大学選びを考えてみてほしい。
大学の授業が高校までと大きく異なる点は、履修の自由度が上がることだ。進学する学部・学科によって4年間で学べる内容は決まるが、特に1年次は学部の専門以外の分野を学ぶ機会が多くある。これらは「教養科目」などと呼ばれ、ある程度自由に履修できる。一方で、「必修科目」など必ず履修しなければならない科目もあるため、卒業までを見据えて計画的に時間割を組む必要がある。
2年次以降は徐々に専門的な内容の授業が増えて、実習や実験の機会も増える。研究室やゼミに所属して、担当教員の指導を受ける場合もある。4年次には、卒業研究や卒業論文に取り組む学生も多い。
大学では、学生の学びの一環として、大学が立地する地域や地元企業と協働して何らかの活動に取り組むケースがある。代表的な例は、人口減少や地域活性化など地域社会が抱える課題解決に向けた取り組みだ。また、学生たちが地元の企業や自治体と協力して、新商品の開発に取り組む例も多くある。いずれの例でも、地域や企業側は学生たちの若い力や発想を取り入れたいという期待がある。学生側にとっては、大学を飛び出し、実社会との関わりの中で学びを深めることができる貴重な機会となっている。
一方、本格的な共同研究という形で大学と企業などが連携しているケースも多い。この場合は、教員や大学院生も含めた協働となり、大学の研究機関としての専門性を生かせる。
大学ならではの学びの形として、ゼミが挙げられる。少人数制で、関心分野の近い学生たちが、担当教員のもとで学びを深めていくことになる。学部の3~4年次で所属することが多い。
大学の授業は大きな講義室で数十人が一度に学ぶこともあるが、ゼミは少人数での議論や対話を重視した形式だ。自分の意見や研究内容を互いに発表する機会も多いので、プレゼン能力や表現力を磨くこともできる。
ゼミにも様々な種類がある。基本的には、自分の学部・学科の専門に関わる分野を深く学ぶためのゼミが多い。一方で、武蔵大学の学部横断型ゼミナール・プロジェクトのように、学部を越えて、意欲のある学生が参加するゼミも存在する。
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