
試験直前こそ、復習が効果を発揮する!では、なぜ復習が効果的なのか、効果のある復習方法はあるのか……。科学的アプローチで、効果的な「復習の奥義」を学ぼう!

医学博士·本郷赤門前クリニック院長 吉田 たかよし 先生
東京大学工学部卒。NHKアナウンサーとして活躍後、医学部に再入学し、東京大学大学院医学博士課程修了。現在、受験生専門の医療機関・本郷赤門前クリニック院長、受験医学研究所所長、浜学園教育顧問。著書に『合格させたいなら脳に効くことをやりなさい』(青春出版社)など。

記憶は、記銘(覚える)→保持→想起(思い出す)の3つの段階をたどります。試験では、解答を紙に書く必要があるので、保持した情報を思い出す「想起力」が非常に重要です。
しかし想起力は、緊張やストレスに対して脆弱な性質を持つため、メンタルが追い詰められる試験本番で100%の想起力を発揮するには、トレーニングが必要です。そのトレーニングこそが、まさに復習なのです。
想起について詳しく解説しましょう。何かを思い出すとき脳内では、前頭前野が知識の格納庫である側頭葉にアクセスし、知識を検索して見つけ出す仕組みになっています。アクセスを繰り返すほど、前頭前野と側頭葉をつなぐ道は踏み固められ強く太くなり、知識を思い出しやすくなります。獣道から道路へと変わっていくのと似ています。幅の狭い道より、大きく広い道のほうが走りやすいですよね。これは記憶も同じなのです。

私はこれまでに多くの受験生を診療してきましたので、直前期の受験生がいかに精神的に追い込まれて、間違った入試対策をしているか、熟知しています。
セルフチェックしていただきたいのが
●「全部やらなきゃ」という強迫観念
● その結果、完璧主義に陥っていないか
ということです。
受験生は「合格するためには完璧な学力が必要だ」と思い込んでいますが、合格最低点さえ超えれば良いのです。ですから、直前期は新しい知識をインプットするよりも、これまでの学習で培ってきた知識・学力を、本番で100%出力できるように注力すべきです。
直前期にやるべきなのは、「解答できなかったけれど、解答解説を見たら理解した/思い出した」というレベルの知識を「解答できる」状態まで押し上げること。無理に0から完璧な学力・完璧な復習を目指すと、脳疲労で逆効果になりかねません。下の図のように「やや不安」な部分を中心に、20~70の理解度を80以上にする意識で取り組みましょう。

すべてを短時間で復習しようと、教科書を読むだけの復習になっている受験生がいますが、これは危険です。単に読むだけでは前頭前野が働かず、側頭葉との道を拡大するという復習の目的が果たせないからです。もし教科書や参考書を読むなら、「解ける・解けない・考えたら解けそう」の判断を下しながらや、知識同士の関連を考えながら読むことを徹底しましょう。思考力を使いながら思い出すことで、復習の効果が飛躍的に高まります。
直前期の演習で知らない知識に遭遇して焦りや不安を感じ、「覚えなきゃ」「身につけなきゃ」と思う受験生は少なくありません。しかし、直前期の新たなインプットは、これまでの学習で整えた知識の体系を崩しかねません。直前期の学習で意識してほしいのは、知識同士のつながりです。「AときたらB」「そういえばCとも関連があったな」など、連想を意識しつつ復習してください。すると、試験中にAを思い出せなくても、BやCをきっかけに思い出せるようになります。前頭前野と側頭葉をつなぐ道だけでなく、知識間の道も強固にしましょう。
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