私立大の入試は、大学・学部によって異なる。ページ後半に挙げるように、学部単位で募集する「学部個別入試」が募集人員の多くを占める場合が大半だが、全学部(もしくは一部の学部)を一括で募集する「全学部統一入試」を行う大学もある。
このように、1つの学部を受験するにしても、複数の“入口”がある場合が多い。また、その“入口”にもそれぞれ特徴があり、募集人員や試験日程が異なったり、受験科目数とその配点が方式ごとに違ったりする。
学力を中心とした学科試験により合否判定を行うので、基本的には志望理由や探究活動の実績、高校の学業成績等が問われることは少ない(医学部や看護学部等では志望理由書の提出や面接等が行われる場合もある)。
また、私立大の個別試験は記述式問題(語句や単語を書くもの、文章で解答・論述するもの、図表等を書くもの)の出題が少ない傾向にある。文部科学省委託調査「大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究」(令和7年2月発表)によると、個別試験で記述式問題を出題している私立大(選抜区分)の割合は37.1%だった。国立大の99.9%と比較すると、かなり低い。

国公立大との主な違いは、入試単位・入試時期・受験科目数・受験可能校数だ。
〈入試単位〉
私立大は基本的に学部ごとに入試を行う一方、国公立大は入試日程ごとに一括で行うことが多い。私立大なら「A大の理学部と工学部と農学部を受験する」といったことも可能だが、国公立大は前期日程の中から1大学・1学部しか受験できない(第2志望学部等の制度がない場合)。
〈入試時期〉
私立大の一般選抜は2月上旬に行われることが多く、合格発表も2月中旬以降が多いが、国公立大は私立大の合格発表が落ち着いた2月下旬以降に2次試験を行う。
〈受験科目数〉
国公立大は共テで8科目+2次試験(1~4科目が主流)を課す大学がほとんどである一方、私立大の多くは個別試験で2~3科目しか課さない。
〈受験可能校数〉
私立大は受験日が重ならない限り、何校でも出願・受験できる。特に共テ利用入試であれば、共テさえ受験すれば何校でも出願可能。
実際の入試日程から見てみよう!
■日本大‐商学部の例(2026年入試)

共テが私立大の受験に代わる入試のこと。共テを受験+共テ利用入試に出願すると、共テの成績で私立大が受験できる。地元で共テを受けるだけで複数の私立大を一気に受験できるため、大学ごとの対策が不要。さらに受験料が割安(無料にしている大学もある)と、コスパ・タイパが良い。ただし、募集人員が少なめで、倍率は高くなることがある。
また、共テ“併用”入試と呼ばれる、共テ+個別試験で合否を判定する方式もある。たとえば、共テの英語+大学独自試験の数学・理科で受験するなど。大学独自試験は、キャンパス等に足を運んで受けることになる。
大学単位で実施する入試のこと。全学部(あるいは一部の複数学部)が同日に同一の試験問題を使って、一斉に入試を行う。一度の試験で複数の学部にまとめて出願できる場合が多いが、併願不可の大学もある。学部個別入試と同様に、全国の主要都市等に別途試験会場を設ける大学もある。
大学単位ではなく、学部ごとに実施する入試のこと。多くの大学において、一般選抜の中で最大の募集人員が割り振られる。その大学のキャンパス等に直接足を運んで大学独自試験を受ける場合が多いが、全国の主要都市等に別途試験会場を設ける(下の「学外試験場」を参照)大学もある。また、外部検定利用入試のような制度がある場合も。
英検®などの資格やスコアを使って受験できる制度。大学が基準とする級位やスコアを出願資格とするものや、特定の教科の試験を免除するもの、得点に換算するもの、試験の得点に加点するものなどがある。級・スコアの所持者は選択肢が広がるが、取得日を制限(入試日から2年前まで等)している場合もあるので、注意が必要。
複数日程の中から試験日を選べる制度。同様の条件の入試が何日かあり、受験生が試験日を選んで受験できる。併願校の試験日が連続・重複することを避けられる。志望度の高い大学なら、複数日程受験する手も。
受験料の割引制度。一部の大学では、複数の学部を併願したり、同じ学部を別の方式で複数受験する場合、受験料を割引する制度を設けている。志望度の高い大学にこの制度があるなら、ぜひ利用したい。
遠方の大学を地元等で受験できる制度。入試は大学のキャンパスに足を運んで試験を受けることが多いが、全国の主要都市等に複数の試験会場を設ける大学もある。「大学は東京にあるが、仙台でも受験できる」など。学部個別入試で設置される場合も、全学部統一入試で設置される場合もある。遠方の大学を受験する際、学外試験場なら移動や宿泊の手間・時間・費用を減らせる。

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