元・代々木ゼミナール講師 中川 雅夫 先生
代々木ゼミナール講師として42年間指導し、勇退。物理の問題を考える楽しさを伝えるために、SAPIX-YOZEMI GROUPのほか東京都・巣鴨高等学校でも指導を継続中。7月に『物理 上級問題精講』(旺文社)が著書に加わった。

力学と電磁気は必出として、波動と熱力学の出題状況、原子からの出題の有無などを確認。また、力学では運動量保存、電磁気では電磁誘導など特定の項目の頻度もチェックする。
穴埋め誘導式の問題なら出題者の誘導に従って解き進めれば高得点が可能だし、グラフ選択問題なら着眼点を工夫すればよい。設問形式の特徴を押さえることが、対策の第一歩!
答えのみではなく、「考え方や式を記述させる」「理由説明など論述を要求する」「グラフや図を描くことを求める」などの問いを確認。これらは、練習して慣れることがカギとなる。
難関大のやや難しい問題でも、多くの場合は前半に基礎的な問いがある。ここで確実に得点することが合格点獲得の必須条件。現時点でどの程度正答できるかチェックしておこう。
問題を読んで、すぐに問われている“物理的ポイント”が把握できれば、解法が浮かびやすくなる。この力をつけるに必要な時間は個人差が大きいので、早めに始動しておきたい。
解けなかった問題の解答を読んで、すぐに「そうだった!」と思い出せれば、インプット作業はできている。しかし、すぐに理解できなければ、「考え方」を習得することが先決だ。
過去問から必要なデータを得るために、1~2年分を演習しよう。その際、実際の試験と同様に問題に取り組んで、現在の実力と必要な実力のギャップを把握することが大切だ。解いたら解答を見て、「どこまでできたか?」「考える方向性は合っていたか?」を確認しよう。できなかった問いは、解答・解説を読んですぐに理解できるかをチェックする。すぐに理解できれば、インプットは足りているがアウトプットする力がまだ弱いということ。なかなか理解できなければ、基本のインプット作業が必要だということだ。鍛えるべき力を具体的に把握し、合格点に最短経路で到達できる入試までの学習計画を立てよう。

解答に着手する前の情報収集も演習の重要な目的だ。問題文は丁寧に読んで、問われている“物理的ポイント”を把握しよう。
途中経過の記述が要求されない問題であっても、解答後にチェックできるよう考え方や式を書いておこう。
正解・不正解を確認するだけでなく、解答・解説を理解できるかで、インプット不足か、アウトプット力が弱いのかを知る。
歯が立たなかった問題は、同じテーマの標準問題を解いて知識を補強してから再挑戦し、状態を確認する。
一連の学習で得られた情報を整理して記録し、必要に応じて学習計画を修正する。計画する内容は、実現できるものに絞ること。

夏休みの終わりから9月には始めよう。この時期の過去問演習は、合格に必要な力を把握し、今後の学習を効率的に進める計画を立てるために行う。できるだけ入試本番に近い環境を整えて、真剣に取り組むことで、より正確なデータを得ることができる。


1~2年分は初期データ収集のために早めに使うが、残りは実力の到達度を測るのが主目的となる。したがって、ある程度力がついた12月以降に取り組む。ただし、物理の場合、過去問と同じ問題は出にくいので、直前期に過去問演習だけを行うことは避けたい。


志望校との実力差が大きい場合、ただ一様に学習しても合格は困難。そこで、過去問をうまく使って、志望校に特化した対策を講じるとよい。過去問分析から攻略しやすい“伸びしろ”を見つけ、そこだけ複数年の問題を繰り返し演習して、得点アップを図ろう。

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