『螢雪時代』アドバイザー 庄司 憲仁 先生
『全国大学入試問題正解 化学』の解答者であり、『螢雪時代』記事のほか、『10日間完成 文系のための分野別 センター化学基礎』(いずれも旺文社)、数研出版の教科書・チャート式など多数執筆している。

頻出分野を大まかに、基礎分野・結晶・化学結合・溶液・気体・熱化学・平衡・有機・無機・高分子などに分類し、今後の学習で重点を置くべき分野、軽く扱う分野の見通しをつける。
例えば「溶液」という分野の場合、溶解度、浸透圧、沸点上昇、凝固点降下などの細目に分け、関連分野も勘案してどの項目に集中して学習エネルギーを注ぎ込むべきかを考える。
小問ごとに「数値計算で求めるのか?」「知識を問われるのか?」、さらに「記述・論述で答えるのか?」などを把握する。ただし、毎年同じ問われ方とは限らない点に注意する。
現在の実力と志望校の過去問との間に、どの程度のレベル差があるかを確認しよう。時間をかければ自力で解けるか、まったく歯が立たないかで今後の対策方針が大きく変わる。
不得意分野の割合によって、今後に注力すべき分野や解答戦略が決まってくる。例えば、暗記事項でも無機化学と有機化学とでは扱い方が大きく異なるので注意したい。
その数によっては、志望校の変更もやむを得ないかもしれない。しかし、残りの期間で対処できる可能性もある。学習計画を見直し、他科目とのバランスも考慮して対策を進めよう。
過去問の出題分野の整理は、教科書の目次を開いて、該当する出題項目にその都度○印を付けていくのがおすすめだ。こうしておけば、○印の多い少ないで出題頻度がすぐわかる。出題形式に関しては、空欄補充、グループ選択、数値計算、用語の記述・論述などに分類する。難易度は、問題文をざっと読んで、その解法が頭に浮かぶかどうかで3段階程度に分類するとよい。このような過去問分析のために、理想的には10年分程度は目を通しておきたい。一方、実際に入試を見すえた実戦演習として解くのは4~5年分で十分。ただし、熱化学は現行課程の2025年と2026年の分しか使えないので注意しよう。

問題を大まかに読んでみて、解くうえで必要になると思われる公式・法則・原理・化学反応式・構造式などの情報(出題のタイプによって異なる)をリストアップしていく。
「情報」が出そろったところで、それに誤りがないかを確認してから、解答を進める。場合によってはその他の情報も必要になるので、適宜補いながら時間内に解いていく。
難易度によるが、正答の場合は解説を読んで確認。不正解の場合は解説を熟読し、「どこがネックになっていたか?」「どこまで理解できていたか?」などを把握する。
正答の場合は「より良い別解手順、時短の方法は?」などを模索する。不正解の場合は「単なるミスか?」「記憶違いか?」「理解が不十分?」などを分析し、後日再挑戦する。

全分野について基礎知識がひと通り身につき、いよいよ実力を試すときだと思えれば、それが開始の適期である。個人差があるので自分の実力次第であるが、平均的には12月頃からだろう。あまり早期に始めると、未理解部分が多くて時間が無駄になる恐れがある。


過去問は、出題傾向を研究するほか、現在の実力を客観的に把握するためにも活用したい。十分に理解できていない項目なども必ずあるはずなので、過去問演習を通してそれらを確認し、対処できる力を鍛えていこう。そうすることで、効率よく得点を伸ばせる。


2015年入試から「化学」「化学基礎」に再編されて以来続く「化学」だが、2020年以前は一部内容が異なるため、2021年以降の過去問が最も使いやすい。ただし、熱化学に関しては現行課程で大きく変更されたため、利用できるのは2025年以降の2年分のみだ。

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