河合塾 佐藤 裕治 先生
東京大学大学院理学系研究科修了。河合塾で長年にわたり、授業、模試作成、入試問題の分析に携わる。日本地理学会地理教育専門委員を務め、大学入試制度や高校の教育課程の改革に関しても詳しい。

出題形式やテーマは大学によって異なる。マーク式・記述式・論述式などの解答形式、図表の判読か文章題中心かなど、志望校の出題傾向を把握したうえで学習方針を定めよう。
難関大では、初めて見るような地図やグラフなどを使った問題が少なくない。過去問からどのような図表が扱われ、何が問われているかを見極め、判読に必要な力を養いたい。
論述答案はいくら書いても論点を外すと得点にはならない。過去問から論述すべきポイントが何かを見極め、限られた字数で高得点が得られる答案をまとめる力を身につけたい。
過去問で問われている地名や用語、地誌的知識、自然環境の特徴や成因、産業の立地、人口動態などについて、現在の自分の知識では何が不足しているかをしっかり確認したい。
統計表やグラフ、地形図やさまざまな主題図は、地理的事象を可視化するために作られていることを踏まえ、図表の判読にはどのような力を身につける必要があるかを考えたい。
論述答案では、「何が問われているか?」を読み取る読解力と、内容をコンパクトにまとめる表現力が求められ、問題演習で訓練する必要がある。それらの実力と課題をつかんでおこう。
過去問分析の重要な目的は、目標・到達点をしっかりと見定めること。これまで、なんとなく地名や用語、統計資料などの基本的知識は身につけてきたかもしれないが、難関大ではそれだけで解くことのできる問題は限られる。志望校の3年分くらいの過去問から「何が問われているか?」を確認・把握したい。「地名などの知識か?」「地形図判読のスキルか?」「自然環境の成因を説明する力か?」などである。また、「まだ実力不足だから」と先延ばしにせず、まずは解いてみて現段階で足りない知識や力を認識しよう。不足している知識を補ったうえで、もう一度自分できちんと答案を作ることが重要である。

論述問題では、問題文や図表をしっかり読み、成因などはフローチャート、地域や事象の比較は対照表などで整理し、ポイントを箇条書きにして解答の方針を決める。
必要と思われるポイントを盛り込んで文章化する。この段階では制限字数や時間をあまり気にせず、問われている内容にきちんと答えた文章にすることが重要だ。
制限字数に合わせて文章を整理する。長すぎる場合は「何が最重要ポイントか?」を再度考え、短すぎる場合は「見落としているポイントがないか?」と問題文や図表を見直す。
解説を読んで、自分の答案は「何が不足し、どこが不要であったか?」を確認し、数日後にもう一度自力で解答する。解答例の丸写しではなく、自分で考えることが重要である。

第1志望校は、すぐにでも演習を開始したい。自力で解いて現段階での知識のレベルを自覚し、不足している力を補うための学習の方向を定めよう。12月頃には再度問題を解き、自力で答案を完成させる。併願校の過去問にも目を通し、出題傾向を確認しておこう。


論述対策としても効果的なのが、共通テストの過去問を使った問題演習だ。共通テストの大問のテーマは教科書に対応していて苦手な分野の補強に役立つし、図表判読の演習にも有効である。また、文章の正誤問題での正文は、論述答案の文章例として活用できる。


地理は統計資料を使った出題が多く、過去問では統計年次が古くなると事実関係が変わってしまうこともあるので、注意する必要がある。自然環境や生活文化の分野はあまり気にする必要はないが、資源と産業や人口などの分野は最新の統計資料で確認したい。

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