目的が決まったら、それを達成するための最適な併願をプランニングしていく。
どこに注目し、どうプランニングすればいいのか。併願方法・手段の基本を押さえよう。
併願の目的がどうであれ、入学する可能性があるなら、各大学の特徴や魅力に目を向けることは不可欠だ。学部・学科名が同じでも、大学によってカリキュラムの中身や力を入れている専門分野、卒業後の進路の傾向などは、かなり異なっているもの。併願校だからと確認を怠ると、入試後に必ず後悔する。また、キャンパスの立地や通学環境、施設・設備の充実度も、大学生活の満足度に大きく影響する重要な要素だ。学生たちの声を含め、これらの実態もリサーチしよう。まず、「ここなら入学しても後悔しない」と思える併願校を見つける。これが併願戦略の第一歩だ。
学問・学び方
□ 希望する専門分野を扱っているか
□ カリキュラムは自分に合っているか
□ 興味を引かれる授業があるか
環境・施設
□ 無理なく通学できる立地条件か
□ 希望する暮らしを実現できる環境か
□ 不便なく学べる設備を備えているか
卒業後の進路
□ 就職・進学の傾向はどうか
□ 希望する職業への就職実績があるか
□ 就職・資格取得の支援は手厚いか

入試科目と難易度は、受験結果に直結する重要な条件だ。併願校を検討する際は、自分の併願の目的、現状学力や今後の伸びしろを踏まえ、有利・不利や可能性を慎重に見極めよう。まず、入試科目については、本命校を基準に、受験する科目を共通化するのが原則だ。受験校の科目がバラバラだと、対策学習の効率が悪化し、全体の合格率も下がる。難易度については、自分の偏差値±3~5の範囲から併願校を選ぶのが基本。ただし、入試科目・配点や入試問題との相性によっては、高望みと思える大学でも手が届く場合がある。

特に私立大の入試方式は多様化・複線化していて、同じ大学・学部で何種類もの入試方式を選べる場合も多い。自分の併願の目的を達成するために、これらをうまく利用したいところだ。そこで、まずそれぞれの入試方式の特徴・メリットを理解し、自分の目的に合わせて、どう生かせるのかを考えよう。そうして最適なものを選択すれば、併願の効果をより高めることができる。
下記に、併願で利用したい主な入試方式とその特徴・メリットを解説したので、それぞれの基本的なイメージを押さえてほしい。そのうえで、各大学が実施している入試方式とその諸条件を調べ、自分が望む結果を引き出すために、併願プランにどう組み込めばよいかシミュレーションしてみよう。
試験日自由選択制
指定された複数試験日の中から都合のよい日を自由に選んで受験できる方式。連続受験を避けたり、他大学との日程重複を回避するのに役立つ。上位志望校なら複数日を受験してチャンスを拡大するのもありだ。
全学部日程
学部別の日程とは別に、全学部の試験を同日程・共通問題で実施する方式。1回の受験で複数学部・学科を併願できる大学も多い。試験日の連続・重複回避のほか、同じ大学への挑戦回数を増やしたい際に有効だ。
英語外部検定利用入試
英検Ⓡなどの級・スコアにより英語の試験を免除したり、英語の得点に換算・加点したりする方式。当日の英語試験のプレッシャーを除去・軽減し、他教科の対策や実力発揮に集中したい場合などに威力を発揮する。
得意科目重視型入試
特定科目の配点を高く設定して合否を判定する方式。苦手科目の失点をカバーしたい場合や、特定科目で一発逆転を狙うといった目的を達成するために利用できる。1~2科目の少数科目入試も同じ目的で使える。
共通テスト利用入試
共通テストの成績(または個別試験との組み合わせ)で合否判定する方式。大学への移動負担や併願校の個別試験対策を削減でき、本命校の対策に注力したいという目的には有効な手段となる。受験料も割安だ。
学外試験会場
本学キャンパス以外に全国の主要都市などに設けられた会場で受験できる制度。遠方への移動時間や宿泊費用、長距離移動による体力の消耗を極力抑え、地元近くで落ち着いて実力を発揮したい受験生に最適な手段だ。

併願する場合、基準となる出願数は本命校も含めて5~6校程度。「挑戦校1、実力相応校3、安全校2」が基本パターンだ。これだけ出願しておけば、まずは十分だと言える。これをベースに、本命校に集中したい人や難易度の高い大学に挑戦する人は、実力相応校・安全校の数を減らすとよい。本命校しか眼中にない人も、その前に1回は個別試験を経験しておくと安心だ。
一方、これ以上増やす場合は、共通テスト利用入試などで対策や受験の負担を軽減することを考えたい。むやみに校数を増やすと各校の受験対策が手薄になるし、試験に臨む集中力も散漫になりがち。もとより入学するのは1校だけ。無駄な受験は省きつつ、好結果を期待できる併願を考えよう。


受験スケジュールは、本命校の試験日に学力・体力・メンタルのピークを合わせるのが原則だ。最初の試験は安全校などで場慣れし、段階的に難易度を上げて手ごたえを得てから本命校に臨むのが理想と言える。
受験日の間隔にも配慮が必要だ。過密な連戦による疲労を避け、心身を休めて頭を切り替える余裕を持つことが大切だ。移動負担を減らす学外試験会場の活用も検討したい。
さらに、直前期は最も学力が伸びる貴重な時期。学力強化に集中できる日数も十分に確保しよう。自分の目的に応じた万全のスケジューリングで結果をつかんでほしい。
秘訣1本命校の試験日を軸に全体の日程を組み立てる
秘訣2段階的に難易度を上げて、自信を高めていく
秘訣33日以上の連続受験は避け、リカバリーの時間を設ける
秘訣4受験期でも学習日を確保し、最後まで実力の向上を目指す

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