
データサイエンス経営学部長
長谷川 光司 先生
「Society 5.0※といわれる未来社会に適合した地域産業、地域経済の成長に貢献する人材を育成します」
※ 政府が提唱する、デジタル技術を活用することにより課題を解決して、人々が豊かに暮らせる社会。

データサイエンス経営学部は、その名の通りデータサイエンス(以下、DS)と経営学を修得するための学部だが、今この2つを学ぶことが重要だと学部長の長谷川先生は語る。
「DSはさまざまなデータを収集・整理・分析し、そこから必要な情報や価値ある情報を見つけ出す学問です。しかし、データ自体は良し悪しとは関係のない客観的な存在。こうしたデータの中から『価値ある情報』を取り出すには、何を価値基準とするかという視点が必要になります」
そこで、同学部で「価値基準」とする視点として学ぶのが経営学。
「既に大学では、工学部などで社会に役立つ可能性のあるものづくりに取り組んでいますが、実用化に成功した事例は多いとは言えません。というのも、学術分野のシーズ(研究成果、技術、知見など)と企業のニーズの間には、目的が異なることからどうしても溝が生じやすいからです。教育の段階から大学と企業が連携し、こうした溝を埋めるために新設したのがデータサイエンス経営学部です」
DSと経営学を駆使して学術的な学びを企業のニーズに結び付け、産業・経済の発展に貢献できる力を養えるわけだ。

グループワークや実習を通して、データを分析し、課題解決につなげる力を磨く。

実習だけでなく、座学でしっかりと理論を学ぶ授業もある。

データ分析の手法などを書き出して思考を整理することも、大切な学びの1つ。
3年次後期には「社会実装実践演習」があり、学生が企業側との打ち合わせを行いながら、その企業のリアルな課題の解決に取り組む。もちろんその前に、2年次からデータの扱い方を体得する実習があり、段階的に実践力を高めていけるのが魅力だ。
「企業から提供されたデータを扱うのは基本的には3年次以降ですが、2年次後期の演習でも栃木SC(サッカークラブ)のデータを分析し、リピーター率向上や新規顧客獲得のアイデアを発表しました」
「企業」と聞くと、製造業やオフィスで働くビジネスパーソンを思い浮かべるかもしれない。しかし、選手という“資源”を活かして試合という“コンテンツ”を提供するサッカークラブも、「企業」として経営学の視点で捉えることが可能。同様にゲームやファッション、グルメ、テーマパークなど、日ごろから楽しんでいるものの多くは企業によって提供・運営されている。4年次から配属される研究室の中には、栃木SCの選手の運動データや、地元飲食店の来客数・商品数などのデータを扱うところもあるという。身近な「好き」を入口にしてデータと経営の視点からビジネスを考えられるのも、この学びのおもしろさだ。
「卒業後は、プログラマーやデータアナリスト、営業・企画管理など、さまざまな業種の企業からIT人材が不足しているという声が上がっているだけに、幅広い就職先が考えられます。また、2026年4月には大学院に総合情報学専攻を開設。データを社会やビジネスの課題解決に活かす力をさらに磨くことも可能です」

2026年3月に竣工したデータサイエンスセンター。学部生や大学院生に加えて、社会人の学びの場、地域産業との接点という役割も担う。

宇都宮大学 データサイエンス経営学部
3年 S.Fさん
文系からDSへ 仲間と協働して課題に向き合う
私はDSに興味を持っていたので、文系でも受験可能でDSを学べる大学を調べ、経営学と一緒に学べることから受験しました。2年次後期の「社会実装基礎演習2」では、実際に企業に対してプレゼンテーションも行いましたが、グループの仲間と一緒に実現可能な提案につなげていく過程がおもしろかったです。3年次の現在は、インターンや学外での学習を通して、社会課題に向き合うこと、幅広い分野を学ぶことの大切さを実感しています。

この記事は
「螢雪時代(2026年11月号)」
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