1915年に創立された安田学園の前身・広島技芸女学校が起源。1966年に安田女子大学が開学。中国地方屈指の女子総合大学で、学部は文学部、教育学部、心理学部、現代ビジネス学部、家政学部、薬学部、看護学部、理工学部の8学部。

話してくれたのは…
学部長・松浦達也先生
日本初の女子大理工学部として開設し、2年目を迎えました。ありがたいことに大きな反響を呼び、意欲的な学生が集まっています。というのも、広島県は日本屈指の“ものづくりの街”なのに、近隣大学の理工系学部は約9割が男子学生と、女子が飛び込みやすい環境ではありませんでした。特に広島は若者の県外流出が多く、女性に顕著です。理工系学問に興味がある女子学生が地元で学び、活躍できる環境をつくろうと生まれた学部ですから、学生たちが積極的に学ぶ姿勢に、手ごたえと需要を感じています。学生の興味は各分野の標準的な内容に留まらず、多様な方向へ広がりを見せていて、学びが本格化する来年以降が非常に楽しみです。
また、本学部では「はみ出せ、文系女子。」を掲げ、文系ながら理系学問に興味を持つ“潜在的理系女子”も歓迎しています。AIを活用した入学前学習などのサポート体制を整えており、現在、文系出身者と理系出身者で成績の差異は感じられません。むしろ文系の学生は、課題解決型学習(PBL)などで持ち前のコミュニケーション能力やリーダーシップを発揮し、活躍しています。

女子大ですから、キャリアやライフプランにおける女子特有のハードルを感じることもあります。医療系の資格が取れる学部の女子人気が高いのは、そうした事情もあるかと思いますが、企業のDX化などで、現在は情報系などの理系人材がかなりの売り手市場です。本学部も、多くの企業から「3年次になったらインターンに来てほしい」と申し入れがあります。また、情報系分野はリモートワークなどの柔軟な働き方が可能な場合もあり、1年次から企業見学を実施して、子育てと両立して活躍する女性社員の姿を見せていただくなど、働き方を具体的にイメージできるようにしています。
社会における理系人材の需要は非常に高く、本学部でも積極的に地元企業と連携したPBLなどを行っています。化粧品メーカーと協力したハンドクリームの官能検査データ分析や、プロジェクションマッピングや古民家再生による地域活性化など、実社会の課題に学生が主体的に取り組んでいます。まだ2年次までですが、学生がこうした経験を通して実力をつけ、ゆくゆくは卒業生自身が「理工系女子」のロールモデルとなってほしいですね。そしていつか「理工系女子」という言葉自体が廃れるくらい、理工系分野で女性が活躍するのが当たり前の社会になってほしいと願っています。
2026年春に完成した、理工学部の拠点である2号館。新たな船出をイメージして、帆船をモチーフとしたデザインになっている。内装も、ガラス張りの壁やおしゃれな椅子が並ぶ綺麗で落ち着いた空間で、キャンパスライフを想像しただけで胸が躍る。もちろん、ラボやアトリエ、培養室などをはじめ最新式の施設や肌分析装置などの実験機器もそろっているので、学ぶ環境としても申し分ない。


「多様性の森」創生プロジェクトを実施中。たくさんの植物が屋内外に並び、生命への理解や関心を高めている

情報科学科の専門研究室には、ARゲームのコートや、フライトシミュレーター(写真)もある。どちらも研究施設用の最新式のもので、体験して楽しみながら技術を学べる

この記事は
「螢雪時代(2026年11月号)」
より転載いたしました。
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