大学入学で親子関係も変化の時期を迎えます。カウンセラーとして大学生の悩みに長年向き合ってきた東京科学大学の齋藤憲司先生に、保護者と大学1年生の適切な距離感についてお話をうかがいました。
30年以上にわたり学生の心の声に耳を傾け、保護者や教職員にも対応。専門は学生相談・臨床心理学。博士(心理学)。大学カウンセラー(日本学生相談学会)。著書に『大学生のストレスマネジメント-自助の力と援助の力-』(共著・有斐閣)など。
子どもたちにとって、高校から大学への進学は劇的な変化です。欧米の大学は多くが全寮制で、入学した学生たちは大学側から多様な支援を受けます。一方、従来の日本では、大学入学後は学生任せになる傾向がありました。近年は日本の大学も授業の履修や学生生活、友達作りなどで丁寧なサポートをしています。しかしそれでも、進学によって変化の時期を迎える子どもたちにとって、保護者のサポートは必須です。
保護者の方にとって、大学に入学するお子さんとの関係を考えるキーワードは、自立と依存です。大学1年生は、大人に向かって自立の階段を少しずつ上がる段階なので、保護者は応援しながら緩やかに背中を押してあげましょう。
ただし、新たな環境に飛び込む子どもにとっては、わからないことや不安なことがたくさんあります。そういう時は、保護者に依存、つまり「頼ってもいいよ」と伝えることも必要です。基本は見守りながら、重要な書類や催しの締め切りなどは気にしてあげるといいでしょう。
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