2026年入試へ向けて、まずは志望校合格の土台となる基礎をしっかり固めることが大切。そこで、英数国のベテランの先生方に、受験生の目的・悩み別に、基礎固めに最適な1冊と、そのオススメ理由や効果的な活用法について教えていただいた。
東京都立国立高等学校 3学年主任
佐々木 昭一 先生
ささき しょういち◎英語科主幹教諭。学力向上委員会委員長、進路部主任等を歴任。生徒たちが部活動や学校行事を通して、試行錯誤の経験を積むことで人間力を高め、成功体験により自信を深め、進路実現に向けて高みを目指していけるよう指導している。
英語では、基礎的な文法事項や語彙が身についていないのに、難易度の高い受験参考書や問題集に取り組もうとする人が目立ちます。語学学習の基本は、「声に出して読む、聴く、話す、紙に書く」です。大事なのは、英文に触れて、この4技能をバランスよく上手に取り入れた勉強を継続していくことです。ここに取り上げた3冊はいずれも音声教材が揃っており、4技能を使った学習を進められるものです。丁寧に仕上げられたものばかりなので、きちんと向き合って使いこなせば、きっと素晴らしい成果が出ることでしょう。
難易度:共通テスト~国公私立大学難関レベル
1周の目安:2~3か月
共通テストから国公私立大学入試まで対応可能な1冊です。まとまりのある英文を読むことで、文脈の中で単語を覚えられます。具体的には、71の英文によるストーリーが、難易度順に7STAGEに分けて配列されているので、英文を読みながら入試に必要な語彙力を身につけられます。また、「まとめてチェック」のページで単語を効率よく復習できます。
単語の暗記効率を上げるには、本書の特徴である英文を様々に活用することがカギです。音読することはリスニング力や読解力の向上につながり、書くことは英作文対策にも有効です。また、Webから音声を無料でダウンロードでき、別冊で英文解説が付いているので、総合的に入試対策をするのもよいでしょう。
基礎的な語彙力のない人は、入試頻度順の単語集を選びがちですが、途中で挫折してしまうことが多いです。そういう人は、『速読英単語 入門編 改訂第3版』で基礎レベルから単語を文脈の中で覚えていきましょう。逆に語彙力を増強したい人は、扱う分野が多岐に渡っている単語集を選ぶとよいです。
難易度:共通テスト~国公私立大学難関レベル
1周の目安:3か月
英文を読んだり問題を解いたりする際に、英文法・語法・イディオム・会話表現などの基礎的な知識を確認するのに適しています。頻出問題の色分けや設問の難易度表示などは、学習者が自分の状況に応じて学習計画を立てるのに役立ちます。
文法の基礎に不安のある人は、1周目は「基本」マークが付いた問題だけを、2周目はマークのない標準問題も加えて、3周目に発展問題を含む全問題に取り組むようにすると、テンポよく進められてモチベーションが上がることでしょう。
文法の基礎が不足している人は、難問の多い問題集を選んでも、基本事項が抜け落ちて応用力が育ちません。まずはこの1冊で文法の基礎を固めましょう。逆に文法力を高めたい人は、誤文訂正問題を含む解説の詳しい問題集で演習を増やすこと。
難易度:共通テスト~国公私立大学標準レベル
1周の目安:1か月
共通テストレベルのリスニングの様々な問題形式を、効率よく対策できます。各形式における聞き取りのアドバイスが具体的で、コツを体感しながらレベルアップが可能。巻末付録のディクテーションまでやれば、学習効果はさらに高まるでしょう。
共通テストの過去問を一度解いてから、この問題集に取り組むと、弱点補強ポイントが見えてきます。さらに、巻末の音読・ディクテーショントレーニングの後、もう一度復習しましょう。難関大学攻略には「3 私大・国公立大レベル」がオススメ。
リスニングが苦手な原因がわからない人は、演習中心の問題集を選んでも成果は上がりません。先生に相談して、「英語そのものが理解できないのか」「理解できても聞き取れないのか」など、苦手の原因をはっきりさせ、自分に合う教材を選ぶこと。
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