代々木ゼミナール 中川 雅夫 先生
丁寧で明快な講義と個別の質問対応など面倒見のよさは定評がある。『物理の良問問題集』『物理 標準問題精講』『物理 思考力問題精講』などの著者であり、『全国大学入試問題正解 物理』(いずれも旺文社)の解答・校閲者を務める。

物理の問題は、単に法則や公式を暗記しただけでは解けない。簡単な問題を解きながら、その法則や公式を使えるようにすることが大切だ。基本問題が容易に解けるようになれば基礎力が身についたと言えるし、共通テストの問題でも6割近くは得点できる。ただし、身近な現象や実験を扱う問題や会話文形式の問題など、共通テスト特有の問題が苦手な人は、対策しないと得点が伸びない。まずは、入試の標準問題のうち解法が決まっている問題で確実に得点できる力をつけたい。そして、目新しい問題に対応できる思考力を養成するために、問題文の読み方に注意するとともに、途中経過を書いて演習することが欠かせない。

共通テストの出題内容や出題形式には独特なものがある。そのため、十分に力を発揮できない受験生も見られる。しかし、逆にこの独特さを利用して、高得点を狙うこともできる。過去問を十分に研究して対応方法がわかれば、実は短時間で正確に解けるものである。

志望校の過去問は直前期に取り組む受験生が多い。しかし、後半戦の計画を立てるために、1年分でもいいので9月中に解いておきたい。実際に解くことで、合格に必要な力と自分の実力との差を把握し、その差を補う具体的な対策を考えることができる。

受験勉強のラストスパートに入る前に、弱点項目を1つずつ集中的に演習して、少なくとも苦手意識はなくしておこう。弱点項目の中には食べ物で言えば「食わず嫌い」のものがあるはずだ。頑張って向き合ってみれば、案外好きになれる項目もあるに違いない。

途中経過や理由説明を記述する力、グラフや図を描く力は、ポイントを押さえるだけでなく、慣れることが不可欠である。普段の演習の際に意識して練習しておけば、直前期に慌てることはない。志望校の入試で求められなくても、途中経過を書くと思考力がつく。

確かに難関大では、受験生が見たことのない状況を扱った問題も出題される。しかし、そうした問題でも、高校物理の範囲の知識があれば考えられる場合がほとんどだ。問題文が要求している「物理的ポイントは何か?」を読み取る練習を重ねて思考力を鍛えよう。

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