河合塾 佐藤 裕治 先生
東京大学大学院理学系研究科修了。河合塾で長年にわたり、授業、模試作成、入試問題の分析に携わる。日本地理学会地理教育専門委員を務め、大学入試制度や高校の教育課程の改革に関しても詳しい。

9月からの本格的な受験勉強に入る前に、世界地図をしっかりと頭に入れて身につけてほしい。赤道や回帰線、極圏、主要経緯線が大陸のどこを通るのか、緯度と気候帯の分布、大陸と海洋とプレート境界や変動帯の位置などをもとに、具体的な国や地域の自然環境がイメージできることが必須である。難関大の論述問題では地形や気候の成因が問われることが多いため、地図上の位置からプレートの運動や大気大循環と関連づけて押さえておきたい。農業地域の分布や特徴を気候などの自然条件と関連づけて押さえたり、工業の特徴を立地論からとらえるなど、地理の論理的考え方をしっかり身につけておくことが重要だ。

統計を使った出題はきわめて多く、特に統計から国の判別を求められることが多い。まずは、人口規模や人口密度、1人当たりGNIなど国の基本的統計から、先進国・新興国・発展途上国などにタイプ分けをして、問題演習で出題頻度の高い国を把握しておきたい。

「地理総合」の必修化により、GISを使った出題が増えている。初見の地図が示されることが多いため、スマホやタブレットで地理院地図やハザードマップを実際に利用し、GISで何ができるかを熟知しておきたい。慣れてさえいれば、設問の内容は難しくはない。

SDGsに関わる出題の対策として、地球温暖化や人口問題、都市問題、食料問題、エネルギー問題などの原因や相互の関係、先進国と途上国の抱える問題や取り組みの違いなどについて、フローチャートや比較対照表で整理し、全体像をしっかりつかんでおきたい。

イスラエルと周辺諸国、ロシアとウクライナ、インドとパキスタンなどの地域紛争や難民問題、トランプの関税政策による経済問題など、時事的問題は流動的な面があるが、問題の背景や関係地域の地図上の位置などを地誌学習の中で把握しておこう。

国公立大2次は論述問題が中心だが、大学によって分量や内容には違いが見られる。志望校の傾向を押さえ、早めの取り組みが必要だ。論述は作文ではなく、要求された事柄を的確にコンパクトな文で伝えることが重要なので、なるべく先生に添削してもらうとよい。

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