
アットウィル 竹内 幸哉 先生
たけうち・ゆきや●代々木ゼミナール、河合塾講師を経て、現在、アットウィル講師、中央大学法学部講師。哲学・音楽・言語・ドラマ・ランニングなど探究心は広がるばかり。『螢雪時代』にて「螢雪合格塾」を連載中。
編集協力◉笹原 風花

鉄則1は設問文、2・3は本文、4・5は設問について。鉄則1:「縮尺」とは、出題者が問う内容の解像度のこと。語句・文か段落かなど、検討する部分の大小によって答えは異なる。「方位」とは、出題者が問う文章内の視点のこと。常識的視点か筆者の視点か、主人公の視点か他者の視点かによって見方が異なる。鉄則2:傍線部付近の指示語・接続語・キーワードを押さえれば解答が見えてくる。鉄則3:各設問が棲み分ける本文の範囲が「勢力圏」。例えば、本文の一部分を問う設問が3つあれば、それぞれ異なる勢力圏をもつ(ダブることもある)。最終問題では、本文全体が「勢力圏」になることもある。
鉄則4:キズのある選択肢を消去する前に、まずは正解のストライクゾーンを考える。記述問題の正解なら当然触れるべき内容を言語化するのだ。それが判断基準となって、選択肢の吟味ができる。鉄則5:解答欄や制限字数から逆算して、解答に書くべき点を検討する。ポイントの取捨選択が必要か、足りないポイントを追加すべきかの判断に役立つ。

「~とはどういうことか」「~とは何か」「~について説明せよ」などと問う設問。誤読する可能性のある箇所や、一読しただけでは理解できような難解な箇所に傍線を引き、その内容や意味を問うことが多い。解く際の基本は、難解な箇所や指示語をわかりやすく言い換えて説明すること。記述問題では言い換え表現を本文中から探すが、適当な表現がない場合は自分の言葉で言い換える必要がある。選択肢問題では、正解の判断基準となるストライクゾーンを設定して言語化する。その基準に基づいてキズのある選択肢を消していき、ゾーン内に残った選択肢を答えにする。

「どうしてか」「なぜか」と問う設問。因果関係が不明瞭な箇所や、飛躍した展開の背後にある暗黙の前提を問うことが多い。傍線部の理由として出題者が求めているであろう理由を最後に書いて、しっかり着地させたい。なお、理由説明問題には少なくとも次の4種類がある。①原因=引き起こすもと(外的なものが多い)、②契機=きっかけ(直接の引き金となるもの)、③理由=わけ(内的なものが多い)、④背景=間接的な理由(直接の因果関係はないが、何らかの影響関係はあるもの)。①~④のどれか1つで十分なこともあれば、複数の要素が必要なこともある。

「違いは何か」「相違点を説明せよ」と問う設問。全体を貫く対立構造や、常識的主張とそれを批判する筆者の主張の比較を問うことが多い。普遍⇔個別、絶対⇔相対といった対義語や、逆接(しかし、だが)、否定(~ない)、対比(~に対して、~の一方で)の機能語をヒントに、対比構造をあぶり出す。記述問題の場合は、例えば「Aは~であるのに対して、Bは~」などと対比構造を明瞭に構文化して説明する。形式的には内容説明問題・理由説明問題でありながら、実質的には対比を尋ねている設問もあるので、対比は意識的に把握するよう心がけたい。

自分を無にして読むのではなく、筆者と対話しつつ読むことを心がけたい。そこで、本文に書き込みを入れつつ読み進めるといい。例えば、接続語や指示語にマークを入れたり、意味段落ごとに見出しを付けたりしてみよう。
言葉の意味を知っただけでは語彙は増えない。記述解答で自分の言葉が出てこないと嘆く前に、間違えてもいいから、話す・書くといった場面で学んだ言葉を使うよう心がけたい。それにより、新たな言語世界が立ち上がる。
スキーマ(既有知識)の支えがあると、文章が正しく読めるようになる。日頃から自分のスキーマを豊かすることを心がけよう。過去問や模試の問題文をスキーマとして吸収し、自分の「知のネットワーク」に取り入れたい。

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