情報処理能力、読解力、知識力を鍛えるにはどうすればいいか。共通テスト現代文の解答スピードをアップし、高得点を目指すための勉強法を岩科先生に教えてもらおう!


共通テストの現代文で解答スピードをアップし、高得点を目指す勉強で、ぜひ活用してほしい教材は過去問です。過去問演習を通じて、3つの能力を鍛えることができます。
過去問は早めの時期に解いてみることをおすすめします。なぜならば、過去問は出題傾向を知り、対策を立てるために取り組むものだからです。共通テストの形式や、現代文に苦手意識がある人なら、なおさら早めに取り掛かりましょう。特に現代文は、2025年入試で新たな大問(大問3)が登場したばかりです。出題傾向をつかむことが、3つの能力を意識的に鍛えることにもつながるはずです。
本番直前に解くために、過去問は取っておきたいという人がいるかもしれません。普段ならたとえば直近1年分を直前期用に残しておくのもよいですが、今年は事情が異なります。大問3の過去問は2025年入試の本試験と追試験しか存在しないからです。大問3の対策としては、2025年入試の本試験と追試験に加えて、大学入試センターが公表している試作問題もぜひ解いてみてください。
要注意なのは、2026年の共通テストは難化が予想されていることです。2025年入試の過去問が解けたから安心、とはならないので、予想問題なども活用して対策しましょう。
「観光」をテーマとする社会・文化論。これまでの共通テストで頻出だった複数テキスト・生徒の学習場面といった出題はなく、単一テキストからのオーソドックスな出題だった。
現代詩人の書いた小説からの出題。本文の分量は前年より増えたが、複数テキストの形での設問はなく、オーソドックスな出題。登場人物の様子や心情を状況と関連付けて読み取らせる設問が多めだった。
2025年入試で新設された大問。与えられた課題に対して、いくつかの資料をもとに書かれた「文章」についての問題。設問要求を素早く把握し、どの資料をどのように用いるかの判断が求められた。
2025年入試では、国語に近代以降の文章(現代文)の大問3が新設された。大問4は古文、大問5は漢文。2026年の受験生は、1年分しか過去問がない大問3をどう対策するかがポイントになりそうだ。

秋の初めごろ、これから共通テストの過去問に取り組もうという受験生にアドバイスをするなら、まずは1年分の国語の問題を通しで解いてみてほしいと思います。現代文だけでなく、古文・漢文も含めて国語の問題全体を解いてみましょう。
そうすることで、「古文・漢文の文法や句形などの知識が足りない」「現代文の長文を読むのが遅い」といった弱点が見えてきます。人によっては「現代文よりも先に、古文・漢文をやらないと!」となるかもしれません。
自分の弱点がわかれば、対策の指針を立てることができます。国語全体の指針であることが大事です。先に国語全体の自分の弱点や実力を把握しておけば、どの力を重点的に鍛えればよいかも明確になります。そのうえで大問ごとの演習に取り組むことで、より効率的な対策ができるでしょう。

現代文を読むことに苦手意識のある人には、「前後の文や表現ごとのつながりを意識して読む」ことをおすすめします。文の意味は、前後の文脈によって決まります。しかし、現代文が苦手な人は、一文ごとに立ち止まり、文の意味を個別に理解しようとする傾向があります。一方、得意な人は、わからない文や表現があっても、前後のつながりを踏まえて意味を類推しながら読んでいきます。
前後の文脈を踏まえて文の意味を考えながら読むことは、現代文の受験勉強に限らず、日本語の文章を読む基本的な姿勢です。もし余裕があれば、勉強の息抜きを兼ねて何かの文章を読むときに意識してみてください。読む文章はSNSの投稿などではなく、あるテーマに沿って執筆者の考えがまとめられたものがいいです。この条件を満たしていれば、新聞でもネット上の記事でも何でも構いません。
難関大を目指す学力の高い受験生でも、現代文が苦手だという人は多くいます。古文・漢文は文法や句形など学習することが比較的わかりやすいため、学力の高い受験生ほどしっかり対策します。しかし、そうした受験生でも、現代文の学習法は確立できていないことがよくあります。古文・漢文と違って普段から使っている言葉なので、その延長で勝負している人が多いのです。あまり勉強しなくてもある程度は点が取れるため、逆に高得点の目指し方が見えにくい人もいるようです。もともとの学力が高い人でも、国語で高得点を目指すならば、現代文も戦略を立てて勉強することが必要です。

受験勉強における知識とは重要単語だけではないと説明しましたが、もちろん重要単語なども大事です。知識をつけることで、読解力も情報処理能力も向上します。もし漢字に苦手意識があるならば、問題集を1冊買って仕上げるべきです。漢字に詳しくなれば、自然と語彙も増えますし、様々な知識もついてきます。
また、もし現代文の重要単語集を持っているならば、辞書のように活用しましょう。手元に置いておき、問題演習などでわからない単語に出くわしたときに調べてみるという使い方です。日常的に単語集と向き合って単語を覚える勉強法は、正直かなりしんどいので、必要に応じてその都度調べるほうが、無理なく知識を増やしていけると思います。

過去問演習でぜひ取り組んでほしいのが「一度解いた問題でも、繰り返し解いてみる」ことです。「答えを覚えているから、同じ問題を解くことに意味はない」と考える人も多いでしょう。しかし、「なぜこの答えになるのか」というプロセスを自分で考えながら辿り直すのは、とても大事なことなのです。これは、模試や問題集でも同じことが言えます。どのような根拠で解答を導くのかという確認作業には、一度解いた問題がうってつけです。
現代文は情報処理能力や読解力、知識力などを含めたトータルの言葉の経験がカギを握ります。しかしそれは、短期間で簡単に身につくものではありません。だからこそ、過去問で共通テストの傾向を把握して、必要な力を効率よく鍛えていきましょう。


この記事は
「螢雪時代(2025年10月号)」
より転載いたしました。
「螢雪時代」最新号は好評発売中!
詳細はこちらをご覧ください。
この続きを読むには
に登録(無料)が必要です
さらに旺文社のサービスで
この他にも便利な機能が!
詳しくはこちら




![[共テ対策]先輩の成長曲線を追え!](/assets/437a7680e6f34b928a92c3dba656ff7d/a6ebb2c11ca04b0191b0c31f3104c5df/%E5%85%88%E8%BC%A9%E3%81%AE%E6%88%90%E9%95%B7%E6%9B%B2%E7%B7%9A_%E6%9E%A0%E7%84%A1up.png?w=400&fm=webp)