PART2では、多くの生徒たちが受験校を決定する場面に立ち合い、その受験結果を見届けてきた進路指導のベテラン先生に、高い目標でも妥協することなく受験に挑み、合格をつかむための秘訣を伺った。高難度大学を狙う併願の例も要チェック!

熊本県立済々黌高等学校 進路指導主事
篠塚 年洋 先生
教職歴31年目。同校に赴任して11年目。数学担当。「教え過ぎない」「与え過ぎない」「話し過ぎない」をモットーに生徒の自主性を育てる指導を心がける。学習と部活動の両立を目標とする「文武不岐」を理想に掲げた指導を行っている。

不安な気持ちはわかりますが、10月の段階で志望校を変更するのは早いと思います。志望校を強く意識している生徒は、上を目指しているので必ずと言っていいほど学力が伸びていきます。私は不安な生徒たちに先輩たちのデータを具体的に示して、「自分もできる」と理解させています。たとえ模試判定が芳しくなくても、めげずに勉強に励むことで学力は伸びます。自信を持って頑張ってください。ここであきらめたら、もったいない!

志望校合格に強い信念がある。精神的に大人。規則正しい生活習慣を確立している。成績を伸ばす生徒は、学力・学習面以上に普段の生活が模範的だという印象があります。生活リズムが整っている生徒は、心身ともにたくましく、見ていてもすごく成長を実感します。この時期に勉強しない受験生はいませんので、生活面を見直すことが、学力に差をつける秘訣だと思います。まずは食事や睡眠を十分にとり、スマホの時間を削ることです。


特に第1志望校の難度が高い場合、併願校の対策がその障壁になるようではいけません。例えば、中期・後期日程の選抜方法が学科試験であれば、面接や小論文の対策をする必要がなく、負担は軽減されます。また、私立大を併願する場合は、共通テスト利用入試を受験したり、地方会場で受験できる大学を併願するのも効果的です。併願校を選ぶ際は、第1志望校のことを最優先に考え、その対策・受験の負担にならない大学を選びましょう。

私が生徒たちに取り組ませているのが、授業や自習のとき「重要だ」と感じたら「すぐにメモをとる」こと。ポケットサイズのメモ帳1冊に、自分にとっての重要事項を書き溜めていくのです。そのメモ帳を常に胸ポケットに忍ばせておけば、バス待ち、信号待ちなどの短時間でも、身につけるべき重要事項をすぐに確認でき、とても効果的な学習になります。これがノートだと、「取り出す」行為が思わぬ障壁になってしまうのです。

この時期、不安や焦りが強くなり、挫けそうな人も多いことでしょう。今が一番つらい時期かもしれませんが、高い目標を掲げていれば、その頂きに向かって学力は伸びていきます。一方、一度目標を下げてしまえば、学力の下降は止まらず、再び同じ目標を目指すことは困難になります。人生100年、挫折することはあります。しかし、みなさんの年齢で挑戦することは、とても有意義なことです。受験を通して挑戦し続けた経験は、将来必ず活きてきます。ぜひ高い目標を掲げ、挑戦し続けてください。それを乗り越えた先には、最高の景色が待っています。
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