「解ける人」の視点と思考 2
「解ける人」は、解法をひと続きの手順として丸ごと覚えているわけではない。例えば、積分の求積問題であれば、「図形やグラフの位置関係を把握する」「面積を表す式を立てる」「計算する」といった段階に分けて考えている。各段階のやり方を少しずつ変えることで、多くの問題に対応しているのである。
「解ける人」は、一つの問題を解いたときに、考え方の軸となる「基盤」と、そこに当てはめられる入れ替え可能な「部品」とを分けて意識している。私はこれを「解法のモジュール化」と呼んでいる。モジュールとは、あるまとまった働きを持つ部品のこと。共通の基盤に異なる部品を当てはめることで別の機器を作るように、数学の問題も、各段階に当てはめる部品を入れ替えることで、さまざまな形に対応できるのである。数学が得意な人が目新しい問題でもあわてずに対処できるのは、この構造が見えているからだ。

このようなとらえ方ができるようになるコツは、解法を「まずは大枠→次にディテール」という2段階でとらえることだ。最初に解法全体の流れを大きくつかみ、「こうして、こうして、こうしている」と一文で要約してみる。そのうえで、各段階で具体的に何をしているのかに注目する。前半でとらえた大まかな流れが「基盤」、後半で見ていく具体的な処理が「部品」に当たる。解けない人の多くは、この部品にしか目が向いていない。まさに「木を見て森を見ず」の状態なのである。


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