他県からの入学者比率が高い大学学部(全国の国公立大学-入学者100名以上)
旺文社調べ(データは原則2024.05.01時点)
※入学者数は、2024年4月入学者(秋季入学者は含まない)。
※「2025年受験用 大学の実の実力」掲載のデータ(大学による回答)を元にしており、アンケート未回答などによりデータがない大学もある。
※「他県からの入学者」には、同じ都道府県出身の高等卒業生・高卒認定試験合格者を含む。
ここでの「他県からの入学者比率」とは、大学入学者のうち、当該学部(主となる履修地)と同じ都道府県に所在する高校からの入学者を除いた比率だ。入学者100名以上の国公立大に限定している。
実際には、隣県であっても、通える範囲の地元のような大学も少なくない。
それでも、国公立大学のなかで地元占有率の低い大学学部(入学者100名以上)を見てみると、いくつかの傾向が見てとれる。
トップレベルの高度な研究や競技を行っている大学や、珍しい分野の学部や学科がある大学は、遠方からも志願者が集まりやすい。また、他府県の都市から通える範囲にある大学は、他府県出身者が多くなりがちだ。
東北大学理学部(1位)や京都大学理学部(2位)は、それぞれ宮城県や京都府の出身者は1割に満たない。全国各地から高いレベルの研究環境を求めて集まっていると考えられる。東北大学や京都大学はTHE世界大学ランキングなどで生命科学や物理の分野において世界でも100位以内、日本国内ではトップクラスだ。
最先端の研究を行っている京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の研究者は、医学部だけではなく理学部や農学部(11位)の出身者も多い。
2023年に最初の「国際卓越研究大学」に選ばれた東北大学は、初年度に154億円の助成を受けた。材料科学・未来型医療・災害科学などの研究強化が図られる。今後優秀な博士学生には月額18万円の研究奨励費と年額34万円の研究費が支給されることが決まっており、研究者を目指す人たちからも注目されている。理学部(2位)の他に工学部(15位)も比較的上位に入った。
鹿屋体育大学体育学部(5位)や筑波大学体育専門学群(8位)も、全国からアスリートが集まっている。
鹿児島県にある鹿屋体育大学は国立で唯一の体育大学。剣道、水泳、陸上など各種の競技が強く、キャンパスには武道館、プール、陸上競技場などの他、ビーチバレー場やホッケー場、スポーツパフォーマンス研究センターなどの設備が揃っている。
筑波大学体育専門学群は2024年のパリオリンピックにおいて、柔道、サッカー、スポーツクライミング、自転車など多くの競技に卒業生や在校生が出場した。
人口が多い自治体に隣接した比較的規模の小さな県(奈良県、鳥取県など)の大学は、近隣の府県からの流入が多い。2022年に女子大として初めて工学部を設置するなど特色ある教育を行っている奈良女子大学は、全学で9割ほどが県外出身者だ。1908年(明治41年)に開設された奈良女子高等師範学校を前身とする、全国に2校しかない国立の女子大。奈良市の中心部に位置し、奈良公園や神社仏閣も近いキャンパスは重要文化財の建築物もあり情緒がある。
この記事は、螢雪時代特別編集『大学の真の実力 情報公開BOOK』掲載データ(2024年春)を分析して作成いたしました。
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