
奨学金を借りることを選択した人、借りることを検討している人に意識してほしいことがある。それは、大学卒業後しばらくは、返済を前提に人生や生活を考えなければならない期間が発生するということだ。
FP・キャリアコンサルタントの内村先生は「奨学金は、家庭の事情で進学への道が閉ざされないための制度です。奨学金を活用することで、保護者の経済的な事情に関わらず、受験生が自分自身で道を切り拓くことができます」と説明する。
一方で、奨学金の多くは、大学卒業後に返済義務が発生する貸与型。多くのお金を借りれば、その分返済額も膨らむ。利子がある奨学金ならなおさらだ。内村先生は「奨学金は自分が将来稼ぐお金の『前借り』であるという側面も忘れないようにしましょう。将来返済するのは保護者でなく受験生自身なので、いまから返済を自分事として捉えることが大切です」と呼びかける。

返済の見通しの確認を
すでに奨学金を申請した人も、これから申請する予定の人も、改めて将来の返済の見通しを確認しておこう。奨学金には返済義務がない給付型と、返済義務がある貸与型がある。ただし、給付型を受給するには家計や学力の基準を満たす必要がある。そのため、奨学金の多くは貸与型で、さらに無利子の第一種と有利子の第二種に分かれる。
上の表は、日本学生支援機構の貸与型奨学金の返還例だ。「貸与月額」が月々に借りる金額を表す。30,000円を借りる場合、大学4年間の総額は1,440,000円。無利子の第一種に採用されれば、返還期間13年間で毎月の返済額は9,230円となる。有利子の第二種の場合は、返済額はもう少し多めになる。
奨学金は日本学生支援機構以外にも、民間企業や自治体、大学などが運営するものもある。こうした情報はあまり知られていないため、受験生や保護者の間でも奨学金に関する情報格差が生じている。また、運営団体の多様化も含め、借り方や返済方法など制度が複雑に感じられる側面もある。
しかし、奨学金の返済は、将来の生活に大きく影響しかねない。受験生自ら情報を集め、主体的に将来の返済を考えてほしい。
