
「女子大の理系学部」というと、栄養や看護などのイメージが強いかもしれませんが、最近は理工系がアツいんです!新設や再編などでパワーアップを続ける4つの女子大理工系学部を、編集部が取材しました!
1908年に設置された奈良女子高等師範学校が起源。戦後の1949年に奈良女子大学となり、お茶の水女子大学と並ぶ西の国立女子最高学府として発展。学部は文学部、理学部、生活環境学部、工学部の4学部。今回紹介する工学部は、日本の女子大初の工学部工学科で、2022年開設。

話してくれたのは…
学部長・黒子弘道先生 長谷圭城先生 中田大貴先生
大学の学びは、基本的には「深く狭く」です。年次が上がるにつれ学びの内容が本格化し、何年次に何をやるか、ある程度決まっています。しかし、本学部ではそれを取り払いました。入学時から専門を1つに固定するのではなく、4つのエリア(生体医工学、情報、人間環境、材料工学)から、自分の興味に合わせて「つまみ食い」をしながら学べます。年次進行による履修制限もないため、意欲があれば1年次からでも専門科目に挑戦できます。やってみて違うと思えば、別の分野に移れます。3年次の後期から研究室に配属され、本格的に研究することになりますが、以降も別分野の授業を履修したり、所属外の研究室でも学べる制度になっています。
また、多数のトップ企業から客員教授を招いて授業を行ったり、実際に企業の現場で行ったりと、連携しながら学ぶので、現場で知識が生きる瞬間を体験できます。1学科制で培われた複数分野の知識を持つ強みが、ここで体感できるのではないでしょうか。

「女子大工学部ならではの強み」ではないかもしれませんが、うちの学生は皆のびのびと自由に学んでいると思います。女子しかいない安心感の中で、研究に没頭できる環境であることも一因でしょう。共学では女子人気がイマイチなのに、うちでは人気の専攻分野があったりするので、そうした選択の1つ1つにも、ジェンダー的なバイアスがかからないのだと思います。発想も固定観念に囚われず、自由だと感じますね。
学部の人数が少ないので、学生同士はもちろん、教員と学生の距離が近いことも特徴です。中田先生が言うように別の研究室で学べたり、学生数が少ないからこそ実現できるものも多いので、入学定員を見て敬遠せず、本学で学ぶメリットを感じていただきたいです。

離れには工作室も。学生同士で協力し合って作業ができる

3Dプリンタから糸ノコギリまで、設備や機械は、安全面に配慮した最新型が充実
今年、初めての卒業生を送り出し、そのうち8割近い学生が大学院に進学しました。国立大学の工学分野は8~9割進学しますが、女子に限れば5割程度。その中で約8割が進学を選んだという実績は、胸を張れるものだと感じます。「工学」というと、機械系や電気系のものづくりのイメージが強かったようですが、現在は情報やデザインなども含むように進化し、広がっています。ものづくりはもちろん、課題解決や世の中のニーズに応える“価値づくり”ができる人材を育成するのが、本学工学部の狙いです。
もし皆さんが「社会の何かを変えたい」と思うなら、工学はそれを実現する大きな力になります。私たちは「女子だから工学を選んでほしい」と言いたいわけではありません。本学は社会を良くする“価値づくり”を実現するための環境が整っていますので、ぜひいらしてください。

学内と学生の穏やかな雰囲気に誘われて、学内でくつろぐ鹿も(さすが奈良!?)
大学院 人間文化総合科学研究科工学専攻
K.Oさん(京都府・私立高校 2022年卒)
“奈良女”は、やりたいことが
叶えられる大学!
私が工学を志したのは、小さいころから折り紙やビーズアクセサリー作りなど、ものづくりが好きだったことがあります。家族との会話の中で、「こんなものがあったら良いよね」と空想していたことも、影響があるかもしれません。入学した当初は、建築系を専攻しようと思っていました。しかし、ボランティア活動の中で難病の患者さんに接し、こうした人たちが快適に暮らすために何かできないか考えるようになりました。そこで専攻を生体医工学にしようと決め、現在に至ります。1学科制で自由に授業を履修できるからこそ、できたことだと思います。
奈良女は学生ものびのびとしていて、お互いの個性を尊重し合う雰囲気です。先生方との距離も近く、学部4年次に学外のコンクールで論文の賞を受けた際は、手厚く指導や添削をしていただきました。インドやドイツで他国の学生と交流する機会もあり、こうした支援や環境が充実している点も、奈良女の魅力だと感じます。
私が専攻している生体医工学は、医療や人体の分野と工学が融合した領域です。病院で見かける器具を使ったり、身近な工学と言えます。何より、誰かの役に立つものづくりができるので、とてもやりがいがあります。受験生の皆さんに生体医工学に興味を持ってもらえたら、うれしく思います。

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