英語(リーディング)
千葉県・東邦大学付属東邦中学校・高等学校
佐々木 欣也 先生
「英語は口を動かす実技科目だ」をモットーに、「音読」を最重要視し、熱い授業を展開中。著書に『共通テスト英語図表・グラフを含む問題』『大学入試 Basic Lecture 動画でわかる英文法[必修文法編]』(ともに旺文社)など著書多数。

大問数は6→8に増加するも、全体的に易化
英語リーディングは、共通テスト開始以来、初めて出題形式が変化した。大問数が6題から8題に増えた一方、マーク数は5つ減って44となり、素材文の総語数は4900語から4200語に減少した。内容としては、パンフレットやブログなどの平易な文書から、記事・物語文・資料など従来のものに加え、第4問では教師のコメントを踏まえて推敲したり、第8問ではエッセイの概要を組み立てる設問が出題された。2026年も膨大な文章・資料を読んで設問に必要な情報を素早く探し出す「情報検索」的な側面の強いものになるだろう。平均点は2023年:53.8点、2024年:51.5点と年々下がり続けていたところ、2025年は57.7点に上昇した。2026年はその反動からやや難化する可能性がある。

イラスト問題の読み取り
出題予想
2025年の第1問では、「魚を飼育するための水槽」に関するパンフレットを読み、内容と照らして適切な図を選ぶ問題が出された。2026年も設問で与えられた条件と一致する情報を探したり、記述内容を最も的確に描写しているイラストを選ぶ出題が予想される。
対策
本文の文字情報とイラスト情報とを素早く一致させる訓練を積み重ねることが大切だ。本文と図表を「往復運動」しつつ、条件に合わないものを読みながら消していく「消去法」を最大限活用しよう。なお、問1では、本文の単語「beginners(初心者)」→正解の選択肢「newcomers」になっていた。このような言い換えにも注意を払いたい。
エッセイの論理構成や展開の読み取り
出題予想
2025年の第4問は新傾向問題で、「スローライフの実践」をテーマとして文章を作成する過程で、教師のコメントを踏まえて推敲する問題が出題された。文章の論理構成や展開に配慮して文章を修正する力が問われるので、論理マーカーの穴埋め問題が出題されそうだ。
対策
問1ではHowever「しかし」の穴埋め、問2では「結論」の選択肢を選ぶ問題など、論理的な読解力が問われた。漠然と文章を読むのではなく、「一般論と筆者の主張」の対比や、3大ロジック「対立」「反復」「因果関係(原因と結果)」を意識した論理的な読解力に加えて、記事の内容を要約する力も同時に養っていくことが不可欠だ。
複数文書の読み取り
出題予想
2025年の第5問は、「会議の開催に向けた学生と教授のメールのやりとり」を読んで必要な情報を表から選ぶ問題であった。また、メールの内容から教授の懸念事項を推論する問題も出題された。今後も複数素材から情報を検索・推論する問題が出題されるだろう。
対策
複数の文書をすべて読んでから解くと時間がかかるので、設問を先読みして必要な情報を探しながら読むことが必要だ。また、問5では「most likely(もっとも可能性が高い)」選択肢を選ぶ問題が出題された。この場合、本文には直接の言及がないので、「消去法」を使って本文と丁寧に照合しながら選択肢を絞り込んでいく作業が非常に有効である。
物語文の読み取り
出題予想
2025年の第6問は「超能力を持つ少年が成長する様子」を描いた物語で、時系列順に並べたり、登場人物の情報が問われた。回想シーンが後半に出てくるなど話の展開がわかりにくく、受験生は苦戦した模様。今後も登場人物の行動や考えを問う問題が予想される。
対策
5W1Hを把握して出来事を整理して読み進めること。登場人物が1人の場合は出来事の順番を正しく追い、登場人物が複数の場合は新人物が登場するたびに一度立ち止まって人間関係を把握することが大切だ。時系列順に並び替える問題では、本文中の述語動詞に番号を振ったり線で結んだりしながら、出来事の流れを把握する訓練を積み重ねよう。
記事の読み取り
出題予想
2025年の第7問は、「動物の睡眠パターン」に関する文章を読み、プレゼンのための概要を整理したり、記事の内容を的確に描写しているスライドを選ぶ問題が出題された。文章を読みながらポスターやスライドを完成させる「合わせ技」の問題が出ると予想される。
対策
文章の論理展開を意識しつつ、文章全体を把握する要約力が求められる。論理マーカーに注目し、段落ごとに要旨を把握することが重要だ。設問の中には、正解を複数選んだり、解答の根拠が複数箇所にまたがったりする問題もあり、1か所だけの根拠では解答できないように工夫されている。複数箇所を参照しながら解答することを心がけよう。
複数の意見と資料の読み取り
出題予想
2025年の第8問は新傾向問題で、「宇宙開発の是非」について自分の立場を決めて、3段階のステップを踏みながらアウトラインを作成する問題であった。今後も、複数の文書を参照しながら条件に合った選択肢を複眼的に考察する力を問う問題が狙われるだろう。
対策
誘導に乗って、Step1では5人の意見の類似点と相違点を整理し、「賛成者と反対者、誰が同意見か?」などを確認する。Step2では「その意見は誰のものか?」「共通する論点は何か?」などを正確にとらえ、与えられた参考資料やグラフから素早く探し出し、本文と資料の内容を結びつける。Step3ではその立場に合う根拠を判断するとよい。

過去問の使い方
演習開始時期:11月上旬~
目標使用量:週に1回分

共通テストの過去問は5年分(全10回分)あるが、新課程の過去問は2025年の本試験・追試験の2回分しかない。そこで、2025年の本試験は早い時期に解き、新傾向の形式や時間配分の研究用として活用しよう。追試験は本番直前に、本番さながらのスケジュールで解くこと。センター試験の過去問を活用する場合は、第4~6問を40分以内で解くとよい。
+αアイテム

教科書などで語彙力を身につけたら、予想問題集や模試を積極的に活用しよう。復習時には、正答率が低かった原因を分析することが大切だ。間違った原因が「語彙力不足か?」「読解速度が遅いせいか?」「設問処理に時間をかけすぎたためか?」など、自己分析を通じて弱点を発見し、少なくとも週に1回は予想問題を解いて、何回も練習を積んでほしい。