設計士やデザイナーなどが作成した工業用図面等を清書することをトレースといい、その仕事をする人をトレーサーという。
トレース技能検定は、トレーサーが仕事をする上で必要な専門的知識や技能の程度、能力などを判定する。
文部科学省が後援する資格検定であり、1972年から実施されている長い実績もあるので、社会的な認知度も、信頼度も高い。工業高校や専門学校などでは、この検定を取得目標としているところも多く、成績優秀な学校は協会より表彰される。
検定は4級から1級まであり、各級とも実技試験と理論試験がある。
実技試験では、実際に元図をトレースし、線や文字が正確に美しく描けているかどうかが審査される。もちろん、制限時間内に的確に製図を仕上げられることも審査の重要なポイントとなっている。
4級・3級は基礎的資格であり、プロのトレーサーになるには2級以上の取得をめざすのが望ましい。
資格取得後の進路としては、設計事務所、デザイン会社、印刷会社など、建設・土木・電気・機械・印刷等におよぶ幅広い分野が考えられる。
なお、最近はあらゆる分野で、CAD(コンピュータ援用設計)が使われている。しかし、コンピュータの力で誰もが手軽に図面を描けるようになったからこそ、仕事の現場では、製図のプロとしてのトレーサーに対して、より高い知識や技能を発揮して質の高い製図を行うことが期待されている。その意味では、トレース技能検定の内容が生かせる場面は、今後もなくなることはないといえるだろう。就職の際にこの資格を武器にするには、CAD利用技術者などの関連資格も合わせて取得しておくと、より有利になる。