近年、少子高齢化やグローバル化が進んで、ライフスタイルも多様化している。それに伴い、個人の住宅や公共施設などでも独自の設計・施工がひんぱんに行われるようになってきた。そこで活躍を期待されるのが建築士。専門知識に基づいて安全な建築物の設計や工事監理を行い、クリエイティブな能力を発揮して住みよい住まいやまちづくりを実現するのが主な仕事である。
建築士の資格は一級建築士、二級建築士、木造建築士の3つに区分され、建築士法によって、それぞれ業務範囲が規定されている。木造建築士は文字どおり木造建築のみの資格で、次にあげるような建物は一級もしくは二級建築士でなければ設計や工事監理ができない、と定められている。
①鉄筋コンクリート造および鉄骨造、石造、レンガ造、コンクリートブロック造、無筋コンクリート造の建物または建物の部分で、延べ面積が30平方メートルをこえる場合。
②延べ面積が100平方メートル(木造の場合は300平方メートル)をこえるか、または階数が3階以上の建築物。
このうち二級建築士は、高さが13メートルまたは軒の高さが9メートルをこえない(さらに木造以外の鉄筋等の場合は延べ面積が300平方メートルまで)建物の設計ができる。確かに一級建築士と比べると扱うことのできる建物の範囲が限られるとはいえ、一般の住宅の多くは、二級建築士の資格があれば手がけることができるのである。建築という産業には欠かすことのできない基盤となる資格といえよう。
そのため、建築関連の企業や工務店などの設計・施工部門で働く人が、業務上の必要性やスキルアップを目的として、取得する例も多い。資格をもっていれば仕事の幅が広がるし、さらに上位の一級建築士を取得する第一歩となるからだ。
設計・施工にあたっては、顧客である施主の要求にどこまで応えられるかがカギとなる。建築の技術や法規に関する知識はもちろんだが、幅広いライフスタイルに対応して顧客を満足させるには、クライアントのニーズをしっかり受け止められる豊かな素養やコミュニケーション能力が欠かせない。現実に作り上げるのは建築物であるが、あくまで人間相手の仕事である、という意識をもつことが必要だ。