左官とは、建築物の壁などを塗って仕上げる職人のこと。日本では古来、土や砂、また石灰岩を原料とした「しっくい」という独特の素材を、壁や床、天井など建築物の表面に“塗って”仕上げる工法が主流であった。コテと呼ばれる専用の工具を使って、表面を平らに美しく仕上げることはもちろん、模様をつけたり、こて絵といってレリーフのように図案を描く芸術にまで発展した高度な職人技をもつ左官は、日本家屋の内外装の仕上げに不可欠な存在だったのである。
現代では土壁やしっくい仕上げは少なくなったが、それらに代わるモルタルやプラスターなどの壁塗剤を用いたり、コンクリートやタイルの下地を塗ったりする際に、左官の技術が必要だ。また、近年、壁紙の接着剤などによる化学物質の健康被害などもあり、伝統的な左官による壁の仕上げが再注目されている。
この左官に求められる知識と技能を検定するのが左官技能検定だ。
試験は1級~3級があり、1級が上級レベル、2級が中級レベル、3級が初級レベルとなっている。一定の実務経験があれば、いきなり1級検定を受検することも可能だが、まず3級を受検し、その後実績を積んでから2級、1級と受検していくのが王道だ。各級には受検の目安となる実務経験年数などが設定されているので、参考にしよう。
検定は都道府県単位で実施され、1級・2級・3級ともに学科試験と実技試験が課される。詳しい試験内容は、中央職業能力開発協会の技能検定のサイトなどで確認しよう。技能をみる検定だけに、規定時間内にどれだけ丁寧な作業を行えるかが合格のカギだ。