日本では古来から、釘や金具を使わず木を組み合わせる技術(組木)によって建築物を造ってきたという歴史がある。その顕著な例が神社や寺の建築物を手がける宮大工で、彼らは釘をほとんど使わずに大きな社殿や御堂を造り上げてしまう。このような高度な技能は、実際に宮大工に弟子入りして長年修業を積まないと得ることができない特殊なものといえるだろう。
ここで挙げる建築大工技能士は、一般的な木造建築に使われる技能を問う資格検定ではあるが、伝統的な木造住宅建築技術を継承していくための基礎となる資格という意味で、重要視されている。つまり、いわゆる昔ながらの「大工さん」に必要な基礎技術を修得しているかどうか、はかることのできる検定なのだ。
具体的には、通常の木造建築物の木造軸組みの加工組立のほか、小屋組みの木造造作、平面図・現寸展開図作成などに関する技能を検定する。
試験には1級~3級の3種類があり、それぞれ学科試験と実技試験が課される。所定の実務経験等があればいきなり受検することもできるが、合格するには相応の技能が必要なので、まずは3級からステップアップするとよい。
学科試験は、木造建築物の種類および特徴についての知識や施工計画における知識、製図、建築関係法令などについて問われる。実技試験では平面図や展開図を作成し、木材を準備し墨付けをした後、加工組立てを行うなどの作業が課せられる。たとえば3級では材料に墨付けした後、加工組立てを行い、寄棟小屋組の一部を3時間で製作して技能を判定する。